| 研究概要 |
本研究の目的は,これまでの研究で構築したCFD援用船型最適化手法の個々の要素技術を,実海域航行性能に関する多目的ロバスト船型最適化設計に適用できるレベルへ高めるとともに,従来研究で構築したSBDプロトタイプのシステム再統合による高度化を行い,我国の造船設計に適合したCADのインターフェースを拡充することによって高度SBD手法を構築し,我国の造船工学における世界的優位性を維持・発展させる基礎技術を確立することである.
本年度は初年度であり,本課題研究のPhase 1(モジュール開発・システム統合,システム初期評価フェーズ)を実施した.本年度のタスク(Task-1.X)は以下のように定義されていた:
(Task-1.1)並列計算環境の増強;(Task-1.2)多目的HTMモデル・非勾配法型・多目的ロバスト最適化理論の定義;(Task-1.3)ネットワーク分散型/クラウド計算対応AEモデルの定義;(Task-1.4)多目的HTMモデル・非勾配法型・多目的ロバスト最適化理論ならびにネットワーク分散型/クラウド計算対応AEモデルを用いた並列計算コーディング;(Task-1.5)テスト船型の選定ならびにCADを用いたパラメトリック表現化;(Task-1.6)CFD手法の整備/検証;(Task-1.7)CAD手法の整備/検証;(Task-1.8)モジュール間インターフェースの構築;(Task-1.9)システム統合-SBDシステム・プロトタイプの構築とPI所属研究機関で提案された実験式を用いたシステム・デモンストレーションと初期評価,以上9項目である.これらのタスクは基本的に全て完了し,その成果は幾つかの国内・国際の学会で発表する事ができた.
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,第2年度のPhase2「単一目的関数最適化問題・SBDシステム評価フェーズ」に関するタスクを実施する.基本的な要素技術は前年度に整備されているので,本フェーズを実施する上で支箪となる問題点はない.一方,要素技術の高度化は常に実施していく予定である.本研究で開発した手法を実用的な最適化問題に応用しながら,問題点の把握とシステムチューニングを継続的に実施する.
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