研究課題
油処理剤水中散布大型タンク(0.8m×0.8m×3m)を用いて、水槽下部に設置したノズル(口径:3種類)からA重油及びA重油-油処理剤混合試料を水槽の底部から噴出させる実験を実施し、PTV(粒子追跡法)及びPIV(画像相関法)等のビデオ解析手法によって得られた粒子浮上速度と、濃度の異なる油処理剤とA重油の界面張力を計測し、流出速度と流出ノズルの内径を代表長さとして求めたWe(ウェーバー数)、Re(レイノルズ数)、及び粘性力係数(We/Re)との相関を明らかにした。これらの諸係数を用いて、粒径を表現する数式における実験定数を求めた。次に、油処理剤を浮上する油に対抗して噴射させる実験を試みた。油処理剤と油の接触率を向上させるため、4種類の広口円筒状の反応ダクトを製作して水槽中に設置し、油の分散化促進効果の違いを調査した。その結果、油処理剤と油が反応する部分の体積を縮小することにより、油処理剤と油が接触する頻度が増加し油粒化が進み浮上速度が減少することがわかった。浮上した油粒を水槽上部で採取し、粒度分布計測装置を使用して分析して実際の油粒径及び分布形状を確認した。また、水深1m、直径0.3mの小型の水槽を製作し、ノズル付近のより詳細な挙動を調査した。さらに、模型実験で得られた物理現象を基に、海底から流出する油に対して油処理剤を散布した場合のシミュレーション計算ツールを開発し、東京湾をモデルに沈船等からの流出油への油処理剤散布時の挙動を示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 学会発表 (4件)