研究課題/領域番号 |
24360367
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
百留 忠洋 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, サブリーダー (90359133)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 液体燃料電池 / 海中機器 / 深海圧力環境 |
研究概要 |
本研究開発では、燃料および酸化剤を液体であるダイレクトメタノール形燃料電池を用い、深海の高圧力環境にシステム暴露させ、耐圧容器を用いずシステムの軽量化を図り、深海用電源としての可能性を調査している。 実験を通して、メタノールと過酸化水素水は循環ポンプにより常時循環し、未反応液および生成物はそれぞれの容器に戻ったのち、発電に再利用される。この際、今回のシステムでは、上記の反応式によるとアノードでは生成物として二酸化炭素が循環によりメタノールに混合してしまう。このことにより、メタノール濃度は低くなるため、発電時間に応じて発電量が少なくなってしまう。またこれを循環するため二酸化炭素により反応膜が被毒してしまい膜の劣化の促進要素となりこれも発電量低下になる課題を得た。さらにカソードでは生成水と酸素が循環されるが、この水により過酸化水素水が希釈され発電量の低下に寄与してしまう課題も得た。このことより、液体燃料電池システムに対して閉鎖式循環型は効率よく効果的な発電に適していないことがわかった。温度特性試験より発電はやはり温度依存がある。本研究で提案する均圧型燃料電池システムでは、海水の圧力に曝せる方法を模索しているが、この際には環境温度の影響も大きく受けてしまう。深海では海水温が最低‐1度になるため、発電効率を高くするための保温方法も検討課題となることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は発電試験を実施して基礎データを取得することに重点を置いて研究を進めてきた。その実験を通して、従来機構で採用していた閉鎖循環型は液体燃料電池システムには適してないことがわかり、燃料及び酸化剤の供給方法に関することやその他種々の課題を得た。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は循環系統をカスケード方式に変更して発電特性を試験する。 1)循環系統変更 燃料循環型 → カスケード消費型 2)液体燃料電池単セル発電 I-V特性試験 3)温度・濃度をパラメータとした発電性能比較
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次年度の研究費の使用計画 |
計画的に効率良く研究を実施したため、消耗品の使用量を抑えることができたために当該未使用金が生じた。 未使用金を利用して平成26年度はより多くの実験を行い研究データの拡充する計画。
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