銅鉱石中のヒ素(As)やアンチモン(Sb)をはじめとする不純物の除去を目的に、浮遊選鉱法(浮選)と浸出を利用した鉱物処理技術の可能性を調査した。浮選では、捕収剤やpH調整により、浮鉱産物として硫砒銅鉱の95%を回収し、この際の黄銅鉱の混入を20%程度に抑えることができた。一方、NaOHとNaHSを用いたアルカリ浸出では、溶液条件や浸出温度の調整により硫砒銅鉱や四面銅鉱中のAs、Sbを90%以上浸出することが可能であった。また浸出液に固体硫黄S0を投入し冷却することによって、AsとSbの90%以上を沈殿回収できるなど、不純物含有銅鉱石に利用可能な分離プロセスの構築を行った。
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