研究課題/領域番号 |
24360378
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中嶋 洋輔 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00188939)
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研究分担者 |
坂本 瑞樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30235189)
吉川 正志 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00272138)
西野 信博 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70243590)
市村 真 筑波大学, 数理物質系, 教授 (10151482)
庄司 主 筑波大学, 核融合科学研究所, 准教授 (00280602)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プラズマ・核融合 / ダイバータ模擬 / プラズマ・壁相互作用 / タンデムミラー / イオン粒子束計測 / 熱流計測 |
研究概要 |
平成24年度では、ガンマ10タンデムミラー装置西端部ミラーコイルの中心から中心軸外側に向かって30cmの位置(ZEXIT=30)にあるカロリーメータと方向性プローブの複合計測器を用いて、イオンサイクロトロン周波数帯高周波(ICRF)波動生成プラズマにおいて端部ミラー出口から流出してくる端損失プラズマの熱流束密度と粒子束密度を計測した。また、同時にコイルから300cm離れた位置にあるイオンエネルギー分析器によるイオンエネルギーの直接測定も行った。これらの測定の結果からプローブとカロリーメータによって求められた端損失イオンの温度は、直接測定結果と良い一致を示し、磁力線に沿った実効的なイオン温度が100eVから400eVの範囲で高周波波動の電力によって容易に制御可能であることを見出した。 また、セントラル部の密度と端損失粒子束密度の関係も調べられ、プラズマ線密度と粒子束密度がよい直線的な関係になることが判明した。この結果から、端損失粒子束密度もガスパフによるプラズマ密度の調節により制御可能であることが分かった。一方、ガンマ10の極小磁場アンカー部に、新たな高周波波動に寄る追加熱実験を行い、端損失イオン流の大幅な増強に成功した。このことから隣接するミラーセルに於けるプラズマ追加熱の有効性が確認された。 更に、電子サイクロトロン加熱(ECH)をICRF生成プラズマに重畳することにより、熱流束密度が画期的に増加することが分かった。今回、380kW 5msの短パルスECHの重畳により、ITERダイバータ板の熱負荷に匹敵する10MW/m^2を超える熱流束の発生に成功した。 これらの結果は、ガンマ10の端損失プラズマ流を用いたダイバータ模擬研究を進める上での、その基本的性能を明らかにし、今後の本格的なダイバータ模擬実験に向けての重要な指針を与えるものと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガンマ10西エンド部で測定した端損失プラズマ流の熱流密度が、ITERダイバータ板の熱負荷に匹敵する熱流であることを示せたことで、初期の目的の一つを達成していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られた結果を踏まえて、更に高熱流束のプラズマ流発生に向けた研究を進め、熱流束の空間分布や拡散過程などの特有の挙動について知見を得る。これらと並行して、中性粒子ビームによるELM模擬に向けた準備研究を進めて行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度未使用額については、3月末に実験装置(電離真空計等)を購入した支払いが4月になったものである。
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