研究課題
ITERでの使用が計画されているタングステン(W)ダイバータにおけるトリチウム蓄積量の評価は、極めて重要でありながら、トリチウム取扱施設が極めて限られているため、実際にトリチウムを使用した研究例は国際的にも少なく、また、報告されたトリチウム蓄積量の間には大きな食い違いが認められる。そこで本研究では、トリチウム蓄積量の統一的評価法を示し、その評価法を用い、ITERグレードの純Wのトリチウム蓄積量を評価し、ITERダイバータに有用な実用データを取得する。さらに、トリチウム蓄積量最小化のため、Wの加工・焼鈍条件を提案する。3年間にわたり研究を行った結果、ITER使用条件温度における再結晶Wの見かけのトリチウム溶解量は、過去にFrauenfelderによって報告されている高温での溶解度の外挿値から予測される量と比較して2桁から4桁も多いことを明らかにした。これは、加工時にWの表面層に導入された歪みに捕獲されたトリチウムであり、表面層をエッチング等により取り除いたバルクのトリチウム溶解度は非常に少ないことが明らかとなった。これらの結果より、W自体のトリチウム溶解度は非常に小さいが、加工により見かけのトリチウム蓄積量が多くなり、加工度により蓄積量に違いが出ることが明らかとなった。これが、過去に報告されたトリチウム蓄積量の間に大きな食い違いがある原因だと考えられる。また、加工時および加工後の処理によりトリチウムの蓄積量を少なくすることが可能である事が明らかとなった。これらの結果の詳細は、2017年に開催される11th International Conference on Tritium Science & Technology、および22th International Conference on Plasma Surface Interactionで報告する予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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