研究課題/領域番号 |
24360382
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
滝塚 知典 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 招聘教授 (40354576)
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研究分担者 |
福田 武司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50354585)
福山 淳 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60116499)
清水 勝宏 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (30391262)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 周辺プラズマ |
研究概要 |
トカマク原型炉においてELMを抑制するために、フェライト鋼を使用しているブランケットをヘリカルに配置し、RMPを形成できることを解析的に示した。RMPがある周辺プラズマ中の半径方向電場がプラズマ圧力分布に大きく影響するので、その電場を自己無道着に求めるTOPICS輸送シミュレーションモデルを開発した。またポロイダル方向変化も記述できるTASK2次元輸送シミュレーションコードの開発も進めている。開いた磁場領域を含むRMP周辺プラズマに重要な運動論効果を調べるために、PARASOL粒子シミュレーションコードを任意形状ダイバータ境界に拡張するための新規高速ポアソンソルバーを開発した。RMPに並びペレット入射によるELM抑制についてTOPICS1次元輸送シミュレーション研究を進めた。ITERにおけるELM損失エネルギーを減少させるためのペレット入射条件を示した。ELMによるダイバータ板損耗とELM間ダイバータ熱負荷の低減のための新概念を提示した;プラズマ断面形状を逆D型にして、中心プラズマの高閉じ込めを維持しつつ周辺プラズマ圧力勾配を緩和しELMを抑制するとともに、外側ダイバータの受熱面積が拡大されることで熱負荷を低減できる。SONICダイバータコードの不純物輸送モンテカルロコードにおいてダイバータ下部室内の不純物中性粒子追跡にかかる大計算コストを下げる新手法を開発し、効率的にダイバータ熱制御の研究を進めた。ITERのハイブリッドシナリオにおけるELM発生に影響する電流分布の形成機構について、プラズマ柱のヘリカル変形による新古典電気抵抗の増大が重要であることを実験解析と理論解析的に示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヘリカルフェライトによるRMP の革新的方法を論文発表できた。今年度は、周辺プラズマのRMP輸送物理解明に役立つ、数値モデル開発が中心となった。特に径電場を含む輸送シミュレーションモデルと、粒子シミュレーションのための新規高速ポアソンソルバーを開発した。RMPのダイバータシミュレーションについては不純物輸送モデルの改良を行い、非接触プラズマ研究に進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ヘリカルフェライトによるRMP形成の解析評価を発展しつつ、RMPに対するプラズマ回転効果のモデル構築を行う。粒子PARASOLシミュレーションの結果を踏まえ、ペデスタル輸送モデルを構築する。周辺ダイバータコードSONICによるRMP熱負荷局在化回避法のシミュレーション研究を進めるとともに、磁束管拡大ダイバータおよび逆D型プラズマによる熱負荷の低減を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度は第14回PET国際会議がポーランドで開催され、当初3名(代表者および分担者2名)の海外出張を計画していたが、分担者1名は参加を見合わせたので、多くの未使用額(~60万円)が発生した。 2013年度は主に、研究打ち合わせ旅費、研究発表旅費、国内外会議参加費、および論文投稿料に使用する。第21回PSI国際会議、Plasma 2014 国際会議等が予定されている。またNuclear Fusion への論文投稿が進展しており、この投稿料もある。現課題の最終年度にあたり、まとめと今後の展開検討のために研究打ち合わせも多数回計画している。未使用分を含め経費を使用する。
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