研究課題
トーラス型磁場閉じ込めプラズマに対し、収束した超音速ガス流を入射することで、プラズマを対向部(ダイバータ)から切り離すデタッチメント(非接触化)の物理機構を解明し、新手法として確立することが本研究の目的である。超音速ガス流による局所的密度変動を検証するため、電離過程を高速カメラで二次元分光計測し、局所的な密度及び温度分布の変化を高時間分解で求める。昨年度までに大型ヘリカル装置に整備した長尺ラバールノズルを用いて、プラズマ実験を実施した。実験では通常のピエゾバルブからのガス入射と長尺ラバールノズル付きソレノイドバルブからの超音速ガス入射を併用し、周辺部密度を燃料ガスあるいは不純物ガスによって増加させることでデタッチメントを発現させる実験を行った。特に燃料ガスを用いた実験では、電子サイクロトロン加熱(ECH)プラズマにおいて、電子内部輸送障壁によって電子温度分布が中心ピークしている状態を維持しつつ完全デタッチさせることに成功した。ECHによる中心加熱があれば、完全デタッチ時にもエネルギー閉じ込め性能の顕著な劣化がないことを示した。これは、アルファ粒子による中心加熱が主となる核融合炉心プラズマにおいて完全デタッチメントとした場合でもエネルギー閉じ込めが劣化しないことを示唆する重要な結果である。ダイバータ板上に設置された静電プローブによって計測されたイオン飽和電流のスケーリング表式を実験的に求めることも試み、イオン飽和電流が周辺温度の平方根と周辺密度の積に比例することを見出した。これらのことについて、国際学会及び国内学会で発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Fusion Engineering and Design
巻: 89 ページ: 2114-2120
http://dx.doi.org/10.1016/j.fusengdes.2014.02.076