本研究では、天然メソポーラス材料である稚内層珪質頁岩(WSS)を吸着材として用い、80℃の低温排熱や太陽熱などが利用可能な開放型および密閉型の蓄熱システムを開発した。開放型はハニカム形状をしており、吸湿性を高めるため塩化カルシウムまたは塩化リチウムをWSSのメソ孔に担持させたものである。80℃で再生した後、加湿空気を通風することで、長時間にわたり温風を取り出すことが出来た。また密閉型では、低温排熱や太陽熱を用いて冷熱を取り出すことが可能なシステムである。塩化リチウム担持WSSを塗布した熱交換器を試作。80℃の再生で、吸着材重量あたり200W/kgの冷熱を取り出すことに成功した。
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