研究概要 |
停滞している種(チャバネセセリ、コジャノメ、日影)、分布を拡大している種(ウラギンシジミ、ツマグロヒョウモン、キタキチョウ、ヤマトシジミ、モンキアゲハ)について、さらに、境界領域と関東地方でのサンプリングを行った。 また、過去にサンプルした標本を持ち、AFLP断片多型の再解析を行い、遺伝的集団構造の解析を実施した。また、さらに、3つの異なる方法(BayeScan, DFIST, SAM)によって、自然選択を受けている座位の検出を行った。停滞しているコジャノメで、集団間の遺伝的構造がみられ、集団間の遺伝子流動が少ないことが示されたが、他の種では、集団間の顕著な構造はみられなかった。また、DFISTによって、8から70の座位が、BayeScanによって、0-20座位の自然選択を受けている座位が検出された。両者の方法で共通に推定された座位は0-12座位で、特に拡大種であるヤマトシジミで多く検出された。また、SAMにより、気温などと相関する遺伝子座の検出を試みた。特に、キタキチョウで、暖かさ指数と相関する座位が2座位検出された。 24年度に採集した標本をもとに、RAD-seqによるSNP変異検出の方法確立を試みた。そのために。キタキチョウ,コジャノメ、ヒカゲチョウ、ヤマトシジミの複数集団のサンプル180個体を用い、ゲノム抽出、DNAの断片化を行い、次世代シークエンサーによりpared-endで断片の解読を行った。3月に解読が終了し、SNP解析に取りかかった。
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