研究概要 |
分布を北上させている種(キタキチョウ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、ツマグロヒョウモン)、分布を停滞させている種(コジャノメ、ヒカゲチョウ、ホシミスジ)について、北限集団および中心部4-5集団の採集を行った。北上種については、ほぼサンプリングが完了した。停滞種の北限集団については、充分なサンプリングができず、26年度に実施する予定である。 充分なサンプルのある4種、キチョウ、コジャノメ、ヤマトシジミ、ヒカゲチョウについてRAD-seqを行った。180個体について、ゲノムDNAを抽出し、断片化、タグ付け後、Illumina HighSeqによって断片末端のDNA配列を決定した。その後、ソフトウエア(Stacks)を用い、アセンブルを行いSNPの検出を行った。キチョウで約400000, ヤマトシジミで約100000,コジャノメで約250000,ヒカゲチョウで、220000のリード数を得ることができた。ただし、個体間で共通のリード数が少なく、特にSNPに関しては5個体以上で検出可能なものが下100以下になり、有効な数のSNPを得ることができなかった。その後、再度、Illumina MiSeqにより、再解析を行ったが同様に上手くSNPを検出できなかった。DNAの質が悪く、同じ断片が読まれていないことが原因であると思われた。 今後の対応について、検討し、マイクロサテライト領域で挟まれた断片を増幅後、次世代シークエンサーで解読するという方法の検討を始め、他の生物で上手くいくことが確かめられ、26年度は、その方法(MIG-seq)を用いることとした。
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