クロロフィル代謝は植物にとって必須の代謝系である。本研究では、①クロロフィル代謝に関わる全遺伝子の同定、②調節機構の解明、③クロロフィル代謝の多機能性の解明、④クロロフィル代謝経路の誕生と進化の解明、⑤応用研究への展開を目的に研究を進めた。その結果、クロロフィル代謝で、最後まで不明であった酵素、Mg-脱離酵素の同定に成功した。一方、進化の過程でどのように新しい代謝系が誕生するかは、生物進化の中心的な課題である。この課題にクロロフィル代謝経路を材料に進めた。その結果、酵素が持っている広い基質特性と柔軟な反応性が、新しい代謝経路の誕生に重要な役割を担っていることを見出した。
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