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2012 年度 実績報告書

茎頂及び根端分裂組織の活性制御分子機構の相同性と相違点

研究課題

研究課題/領域番号 24370024
研究種目

基盤研究(B)

研究機関熊本大学

研究代表者

澤 進一郎  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00315748)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードシロイヌナズナ / ペプチド
研究概要

clv2エンハンサー突然変異体の単離・解析について、我々は、これまでに、シロイヌナズナを用いて、42のclv2エンハンサー突然変異体を単離してきた。本年度、これら全ての候補突然変異体のゲノムシーケンスを解読した。その結果、46の候補のうち、14突然変異体において、三量体G-proteinタンパク質のβサブユニット,agb1の遺伝子内に変異を検出した。また、γサブユニットの二重突然変異体,agg1 agg2もclv2の表現型を助長する事を示した。一方、agb1, agg1 agg2だけでなく、αサブユニットの突然変異体gpa1も、CLEペプチド耐性を示した。さらに、生化学的実験により、AGB1がCLV2と相互作用することを明らかにした。これらのことから、Gタンパク質がCLV2を介してCLVシグナルを伝達していることを示唆した。
42のclv2エンハンサー突然変異体のうち、3つの候補について、LRR-RLKをコードするBAM1遺伝子内に変異が生じていることを明らかにした。bam1は単独の突然変異体でもペプチド耐性を示したが、bam2, bam3突然変異体は、野生型同様ペプチド感受性であった。clv2 bam1は、強いペプチド耐性を示すが、rpk2 bam1二重突然変異体も同様に強いペプチド耐性を示した。これらのことから、BAM1は、根端分裂組織において、CLV2やRPK2と独立の経路によりCLEシグナル伝達系の受容体として機能することが示唆された。地上部で機能すると考えられているCLV1は、根端分裂組織では機能していないと考えられているので、CLV1に最も高い相同性を示すBAM1が、根端部において、CLV1の代わりにCLEペプチド受容体として機能し、根端分裂組織の活性制御を担っていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、エンハンサー突然変異体の単離が進み、多くの原因遺伝子の単離に成功した。また、BAM1の遺伝学的解析も進み、RPK2とBAM1が共に機能することも示唆した。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続き、突然変異体の原因遺伝子の単離を進める。また、遺伝学的解析に加え、細胞生物学的解析も行う事で、多面的なデータを得、総合的に分裂組織の活性制御に関わる分子機構の解析を推進する。

次年度の研究費の使用計画

多数のclv2 enhancer突然変異体を得ており、それらの原因遺伝子を同定すると同時に、その機能解析を、分子遺伝学的解析、生化学的解析によりすすめる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of an EMS-induced causal mutation in a gene required forboron-mediated root development by low-coverage genome re-sequencing inArabidopsis2013

    • 著者名/発表者名
      Tabata, R. , Kamiya, T. , ShigenobuS., Yamaguchi K. , Yamada, M. ,Hasebe, M. , Fujiwara, T., andSawa, S
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior.

      巻: 8 ページ: e22534

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synergistic Interaction of CLAVATA1, CLAVATA2, and RECEPTOR-1 LIKE PROTEIN2 KINASE 2 1n Cyst Nematode Parasitism of Arabidopsis.2013

    • 著者名/発表者名
      Replogle, A., Wang, J., Paolillo, V. , Smeda, J. , Kinoshita, A. , Durbak, A., Tax, F. , Wang, X., Sawa, S. , and Mitchum, M. G.
    • 雑誌名

      Mol Plant Microbe Interact

      巻: 26 ページ: 87-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CLAVATA3 regulates meristem size in Arabidopsis2012

    • 著者名/発表者名
      Sawa, S
    • 雑誌名

      HANDBOOK OF BIOLOGICALLY ACTIVE PEPTIDES. Ed. byA亅. Kastin, Elsevier

      ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The function of CLE and other plant peptide hormones in root developmeNt2012

    • 著者名/発表者名
      Yamada, M., and Sawa, S
    • 雑誌名

      Curr. Opin. Plant Biol

      巻: 16 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~sawa/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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