脳内環境が行動を修飾する神経機構の理解のために,カイコガのフェロモン情報処理系を対象に,神経修飾物質セロトニンに関する解析を行った.セロトニン合成酵素遺伝子のプロモータを利用し,フェロモン情報処理の前運動中枢である側副葉に分枝するセロトニン分泌細胞を標識した遺伝子組換え系統を得た.本系統を利用した,光遺伝学的手法によるセロトニン作用機構の解析の要素技術として,生体を局所的に光刺激が可能なシステムを構築した. 並行して,新たなフェロモン情報処理機構として,触角葉において,フェロモンの絶対濃度情報が,過去に受けた匂いに対する相対濃度情報に変換され高次へ出力されることを見出した.
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