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2014 年度 実績報告書

細菌のTolC共役型異物排出タンパクのX線結晶構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 24370045
研究機関大阪大学

研究代表者

中島 良介  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20379100)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード蛋白質 / 細菌 / 抗生物質 / 感染症 / 多剤耐性
研究実績の概要

緑膿菌はしばしば多剤耐性化して臨床の場で問題となっているが、多剤排出タンパクがこの耐性化の主要な原因である。また現状ではこの病原菌に対する有効な治療薬はない。
我々は感染症の原因菌である緑膿菌の持つRND型多剤排出タンパク(TolC共役型)MexBの結晶構造を解くことに成功し、次いで特異的阻害剤(ABI-PP)との結合構造の解析にも成功した。しかし、MexBは基質を加えなくともタンパクの安定化に用いる界面活性剤(DDM)を結合したいわゆる基質結合型として構造解析されたため、抗生剤等の結合型を調整することができなかった。26年度はDDM以外の界面活性剤を用いることで非基質結合型を調整すること、DDM存在下であっても結合しうる基質の探索に取り組んだ。その結果、LMNG結合型結晶を作成して3.6Å分解能での構造決定に成功した。これまでに得られていたABI-PP結合サイトとも、DDM結合サイトとも明確に異なる結合位置が判明した。これは異物排出トランスポーターオリエンテッドな構造に基づいた創薬の足がかりとなる成果である。
これまでにTolC共役ABC型排出タンパクMacBの大量発現を達成し、可溶化に適した界面活性剤の絞込みは完了していたが、断片化の問題が結晶化の大きな障害になると考えられた。大腸菌発現系ではタグ精製後も夾雑物が含まれ、このうちの幾つかは末端のHis-tagを含むMacB断片であることが判明した。他のバンドもMacBの断片であることが予想される。これに対して無細胞発現系を用いると断片化を回避できる事を見出した。小麦胚芽を利用した無細胞発現系を用いた場合、精製MacB画分は勿論のこと、MacB発現リポソーム画分にも断片は観測されない。申し分ない発現量は既に達成されており、今後は発現系の大容量化を検討する。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structural basis of RND-type multidrug exporters2015

    • 著者名/発表者名
      Akihito Yamaguchi, Ryosuke Nakashima, Keisuke Sakurai
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 6 ページ: article327

    • DOI

      10.3389/fmicb.2015.00327

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 異物排出の構造的基盤2014

    • 著者名/発表者名
      山口明人, 中島良介, 櫻井啓介
    • 学会等名
      生体エネルギー研究会 第40回討論会
    • 発表場所
      愛媛
    • 年月日
      2014-12-11 – 2014-12-13
  • [学会発表] 多剤排出システム AcrAB-TolC 複合体には何分子の AcrA が必要か?2014

    • 著者名/発表者名
      林克彦, 中島良介, 山﨑聖司, 櫻井啓介, 西野邦彦, 山口明人
    • 学会等名
      第36回 生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2014-11-20 – 2014-11-20
  • [学会発表] グラム陰性菌多剤排出トランスポーターの阻害剤結合構造2014

    • 著者名/発表者名
      林克彦, 中島良介, 櫻井啓介, 山﨑聖司, 西野邦彦, 山口明人
    • 学会等名
      第12回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      2014-07-14 – 2014-07-15
  • [学会発表] 大腸菌多剤排出トランスポーターAcrABの機能複合体の構成比2014

    • 著者名/発表者名
      林 克彦、中島 良介、山崎 聖司、櫻井 啓介、北川 公惠、西野 邦彦、山口 明人
    • 学会等名
      第14回 蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-06-25 – 2014-06-27
  • [学会発表] RND型異物排出タンパクのユニバーサル阻害剤開発2014

    • 著者名/発表者名
      櫻井啓介, 中島良介, 山崎聖司, 林克彦, 西野邦彦, 山口明人
    • 学会等名
      第9回トランスポーター研究会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      2014-06-14 – 2014-06-15
  • [図書] 実験医学増刊号 構造生命科学で何がわかるのか,何ができるのか2014

    • 著者名/発表者名
      中島良介、櫻井啓介、山口明人
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      羊土社
  • [備考] 研究室紹介ページ

    • URL

      http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/cmb/

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公開日: 2016-06-01  

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