研究課題
細胞は力学的刺激に応答して、形態、極性、接着性、運動能、増殖能を大きく変化させるが、力学的シグナルを化学シグナルに変換するメカノトランスダクションの分子機構は不明である。Rhoファミリーはアクチン骨格再編成を誘導し、力学的刺激依存的な細胞応答を制御する中心的役割を担っていると考えられるが、メカニカルストレスによるRhoシグナルの活性化機構は未だ不明である。私たちは、血管内皮細胞の繰返し伸展刺激による細胞配向をモデルとして、メカニカルストレス応答に関与するRhoファミリー活性化因子(Rho-GEF)をshRNAライブラリーを用いてスクリーニングし、Soloを含む11種類のRho-GEFを同定した。Soloの発現抑制は、力負荷刺激依存的なRhoAの活性化を有意に抑制することが明らかとなった。また、Soloの活性化機構の解明を目的としてSolo結合蛋白質を探索し、中間径フィラメントを同定した。Soloは中間径フィラメントに対して複数の結合部位を有することを見出した。Soloを上皮細胞に過剰発現させると、太いストレスファイバーと太い中間径フィラメントの形成が促進した一方で、Soloの発現抑制はストレスファイバーの消失と中間径フィラメントの不規則な分布を引き起こした。さらに、SoloのGEFドメインの変異体や各種欠失変異体の発現やSoloの発現抑制は引張刺激依存的なストレスファイバー形成を抑制した。以上の結果から、Soloは中間径フィラメントと複数部位で相互作用することにより、メカニカルストレス依存的なRhoAの活性化に関与し、アクチン繊維と中間径フィラメントの再構築に寄与することが示唆された。また、細胞外基質の硬さ依存的な形質転換に関わるRho-GEFとして同定したFarp1が細胞接着、細胞増殖、形態形成を促進することを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/mizuno_lab/