研究課題
大腸菌σE経路表層ストレス応答では、膜プロテアーゼDegSとRsePが膜貫通型anti-σEタンパク質RseAを連続的に切断することで、ストレス応答転写因子σEを活性化させる。2段階目の切断を担うRsePは、S2Pファミリー膜内切断プロテアーゼである。当初はRsePの生理的基質としてRseAのみが知られていたが、我々は分泌タンパク質のシグナルペプチドがRsePにより切断されることを見いだした。シグナルペプチドは分泌タンパク質の膜透過に伴って切断されて、30残基程度のType II 型(Nin-Cout) 膜タンパク質として膜に残り、RsePによる切断を受ける。細菌染色体には50残基以下程度の小さな膜タンパク質が多数コードされていることが最近明らかになった。我々は、これら低分子膜タンパク質(Small membrane protein; SMP)が、シグナルペプチドとよく似た構造を持つことから、RsePの基質になる可能性を考え検討した。SMP遺伝子をクローニングし、N末端側に目印としてHA-MBPドメインを融合させた派生体をコードするプラスミドを作成した。これを用いたHA-MBP融合型SMPを野生株並びにrseP欠損株で発現して、RseP依存的な切断の有無を調べた。その結果、抗生物質耐性に関わるBlやProgrammed cell deathに関わるトキシンHok等複数のSMPが、RseP依存的に切断を受けることを見出し。このことから、SMPの中にはRsePの基質が存在することが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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