研究課題/領域番号 |
24370058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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研究分担者 |
中江 進 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60450409)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | IL-23p19 / EAE |
研究概要 |
平成24年度は、まずT細胞から産生されるp19の役割や作用機序について検討を行った。 (1)T細胞からのp19産生機構の解析:プリマーのナイーブCD4+T細胞およびT細胞株2B4細胞を用いて、p19産生に重要なシグナルを調べたところ、いずれの細胞においてもT細胞受容体は必須であるが、CD28のシグナルが産生をさらに強く増強することを見出した。 (2)T細胞特異的p19欠損マウスの多発性硬化症のマウスモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)発症に対する感受性:MOGペプチドで免疫し誘導するEAEを用いて、T細胞特異的なコンディショナルp19欠損マウス(CD4-Cre/p19^<flox/flox>)と全身でのp19欠損マウスを比較したところ、全身のpl9欠損マウスでは全く発症しなかったが、T細胞特異的欠損マウスでは、コントロール(p19^<floX/flox>)マウスに比較し、EAE発症の炎症の程度が軽減していた。次に、脳脊髄への浸潤リンパ球からのサイトカイン産生を細胞内染色で調べると、IFN-γ産生が低下していた。現在、in vitroのT細胞の分化誘導系を用いてその作用機序をさらに検討している。 (3)T細胞から産生されるpl9の分子構造:2B4細胞を抗CD3抗体で刺激した上清中を抗p19抗体を用いてウエスタンブロットで調べたところ、非還元下で丁度2倍の分子量のところにバンドが検出されたため、ダイマーを形成していると考えられたが、現在さらにたの分子との会合の可能性も検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
T細胞特異的p19欠損マウスの種々の疾病モデルに対する感受性の検討が現在も進行中であるが、それ以外は結果が出て、さらに次への検討も行っている。
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今後の研究の推進方策 |
p19のin vivoの効果を説明するため、in vitroのT細胞の分化誘導系を用いて、p19の作用機序について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、前年度の研究結果を踏まえ、pl9がEBI3と会合して新たな会合分子として機能している可能性について検討する。
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