真核細胞における染色体DNA複製開始の詳細な分子メカニズムを理解するべく、出芽酵母を用いて新しい変異体取得方法を開発し、全ての複製開始因子について変異を単離した。それらの各変異体内で、各々の複製開始因子が染色体上の複製開始点に結合してくるモードを解析した結果、これまでにDNA複製開始直前に形成されると仮想されていた「複製開始前複合体」の実体とその形成様式を明らかにすることができた。複製開始前複合体の形成は複合体に含まれるそれぞれの因子に対し相互依存的であった。このような制御は複製開始反応の生物学的ロバストネスを高め、 厳密な細胞増殖制御を可能にする仕組みの一端を担っていると考えられる。
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