中心子は9本のトリプレット微小管からなる円筒構造のオルガネラで、この形はほとんどの真核生物に共通する。我々は以前に、カートホイールという9回対称性の車輪状構造が中心子の形が決まる上で重要な働きをすることを明らかにした。本研究では、6回対称性のカートホイールを作るように改変したカートホイール蛋白質を細胞に発現させてその影響を調べた。その結果、微小管の環状配置そのものにも微小管を9本にする機構が備わっており、それがカートホイールとのダイナミックな相互作用を通して、中心子微小管の数を厳密に9本に決めていることが明らかになった。
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