Notchシグナルは進化上保存された細胞間シグナル伝達経路であり、多様な組織の発生に関わっていることが知られている。特に、高等生物では、Notchリガンド、受容体の種類が増え、組織特異的、発達期特異的など、コンテクスト依存性機能の多様性増大が特徴的であるが、Notchシグナル機能の多様な生理機能とそれを担保する分子機構については、不明な点が多く残されている。本研究では、Notch細胞外ドメインのDll1への結合によってMib1のユビキチンリガーゼ活性が上昇し、Dll1をユビキチン化することを明らかにした。更にMib1はNotch細胞外ドメインと結合したDll1のエンドサイトーシスを誘導し、Dll1へのdynamin 2の誘導を促進することを明らかとした。また、dynaminと相互作用し細胞膜に誘導することが知られているSnx18がNotch細胞外ドメインのエンドサイトーシスとNotchシグナル活性化を促進していること、dynamin 2とSnx18の相互作用はMib1のユビキチンリガーゼ活性依存的に増加することをを新たに発見した。一方、Mib1遺伝子には、類似アミノ酸配列をもつ、Mib2の存在が知られている。そこでMib2遺伝子機能解析のため、ノックアウトゼブラフィッシュをTALEN法によって作製した。Mib2ホモノックアウトゼブラフィッシュは、成魚まで成長することから、生存に必須ではないこと、またNotchシグナル機能調節に関与しないことを明らかにした。
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