研究課題
真核生物のゲノムの大部分は転写されており、タンパク質コード領域を含まない、いわゆるnon-coding RNAが数多く存在することが知られている。しかしながら、これらのnon-coding RNAの大部分はごく短いORFを含んでおり、少なくとも一部は実際に翻訳されて、ごく短い機能性ペプチドを産生することが明らかになりつつある。このような、一次遺伝子産物そのものが極端に短いペプチドをマイクロペプチドと呼ぶ。マイクロペプチドは、比較的高分子の前駆体が細胞内プロセシングを受けて成熟型のペプチドとなる従来のペプチド性因子とは異なり、分子内に分泌シグナルの配列を含まず、細胞内で機能すると予測されるが、詳細については不明である。ショウジョウバエpolished rice(pri)は、11あるいは32アミノ酸の4個のマイクロペプチドをコードするユニークな遺伝子であり、幼虫表皮の細胞突起形成を制御している。これまでに、pri遺伝子が、幼虫表皮の突起形成を支配する転写因子Shavenbabyの活性を制御しており、pri遺伝子の発現下でShavenbabyの切断が誘導され、核内局在が大きく変化すると同時に、転写抑制因子から転写活性化因子へと活性がスイッチすることがわかっている。これらの結果はマイクロペプチドが遺伝子発現を介して発生現象を制御していることを示したものであるが、分子メカニズムについては不明な点が多く残されている。上記の現状を踏まえ、本研究では、pri遺伝子と相互作用する因子を同定することにより、マイクロペプチドという新規の活性分子による発生制御機能の解明を目指した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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