動物の左右非対称性の形成機構は、進化的に多様であり、未知の機構の存在が予測される。ショウジョウバエでは、胚消化管などの多くの器官が左右非対称性を示すが、その形成過程で最初の左右極性ができる機構は不明である。本研究の目的は、ショウジョウバエの左右非対称性形成の初期段階を解析し、左右極性の実体を明らかにすることを目的とする。 胚消化管の左右非対称な変形に先だって、内臓筋の核が、Wntシグナルによる制御を受けて左右非対称に移動することを示した。消化管の左右非対称性の形成で機能する初期の遺伝的経路では、extra macrochaetaeがdaughterlessを抑制していることがわかった。
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