これまでの研究で、ヒトのメラノプシン遺伝子(OPN4)の一塩基多型(rs1079610)が瞳孔の対光反応の大きさや睡眠習慣と関連することを明らかにしてきた。本年度は瞳孔の対光反応の波長特性(アクションスペクトル)を明らかにした昨年度の実験について、ピーク感度の推定の詳細な分析を行った。その結果、遺伝子型の違いによって、最も瞳孔の縮瞳が強く起こるピーク波長が異なることが明らかとなった。さらに、今年度は、光への反応が強い特徴を持つメラノプシン遺伝子の変異が自然選択の受けた痕跡についての分析も実施した。現在は、両者の結果を論文にまとめ、投稿の準備段階にある。
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