研究課題/領域番号 |
24380006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
土井 一行 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (80315134)
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研究分担者 |
北野 英己 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (50144184)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 植物育種・遺伝 / 転流 / イネ |
研究概要 |
研究代表者者らのグループは、イネの生産性向上に関する遺伝子の同定を進めており主にシンク能を決定する穂の形態・草型などの形態形質をターゲットとしてきた。一方、本課題ではO. glaberrima由来の「一年生」遺伝子に着目し、それを物質動態特性と結びつけることで、シンク能・転流能を兼ね備えた高収量品種の育成に向けた新たな知見を得ることを目的としている。平成24年度は、以下の様な研究を行った。 (アフリカイネ由来の一年生遺伝子の単離および機能解析) コシヒカリとCSSL25との交雑から得られた約8000個体のF2分離集団から、qRA8近傍で組換えをもつ約800個体を選抜し、その後代検定を行ったが、表現型(ひこばえ量)の分離が明確でなく、期待された制度でのマッピングはできなかった。 (アフリカイネ由来の一年生形質の植物生理学的解析およびqRA8以外の遺伝子の探索) コシヒカリとCSSL25を複数の条件で栽培し、光合成産物の配分を解析するための試料を得た。CSSL25以外のアフリカイネ染色体部分置換系統に関しても、一年生特性の調査を行い、コシヒカリと比較して一年生の傾向を示した系統を見出した。また、「あそみのり」と「IR24」の交雑に由来する組換え自殖系統を利用して、新規遺伝子の探索を行い、qRA8と同じ染色体領域にQTLを見出した。 (アフリカイネ由来の一年生形質の応用の可能性の評価) 解析集団を得るための「CSSL25」X「ST-12(高シンク系統)」および「CSSL25」X「ST-6(高シンク系統)」のF2種子を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね計画通りであったが、qRA8の表現型を約800系統マッピング集団において調査したが、形質分離が明確に得られず、高精度連鎖解析における絞り込みを十分にできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
概ね当初の計画通り研究を推進する。また、平成24年度に十分な結果が得られなかったqRA8の高精度連鎖解析が停滞したため、余剰の資金を次年度に使用することとした。
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次年度の研究費の使用計画 |
qRA8の絞り込みに投入を行うとともに、次世代シーケンサーによる全ゲノム塩基配列解析や一年生に関連すると思われる遺伝子のmRNA発現解析などにより多くの資金を投入する。
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