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2012 年度 実績報告書

ブルーベリーの秋季開花・結実誘導条件の解明とオフシーズン連続生産法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24380018
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京農工大学

研究代表者

荻原 勲  東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80204113)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードブルーベリー / 開花生理 / 連続開花 / 四季成り / 二季成り / 休眠性 / 植物工場 / 環境制御
研究概要

本研究の目的は,ブルーベリーのオフシーズンの連続生産体系を確立するため,秋季開花・結実誘導によるオフシーズン連続生産のメカニズム解明とその栽培法の提案を行うことである.そこで,平成24年度は,秋季開花性および長期取り性(連続生産性)を具備する品種の特性,新梢の頂芽と腋芽を連続して開花・結実させる環境条件を明らかにした.まず,休眠前に高温・長日処理したブルーベリー3種9品種の開花時期,収穫時期,新梢成長などの生態を調査したところ,休眠が深い'Weymouth','Bluecrop'および'Spartan'では6月に開花し,8~9月に成熟した.また,'Magnolia','Tifblue','Homebell'および'Gloria'では2~3月に開花した.一方,休眠が浅く常緑性の'Emerald'では12月から,'Sharpblue'は翌年2月から果実が成熟し,その後も新梢の先端から基部に向かって連続的な開花と結実が生じ,これらの収穫は翌年の7月まで続いたことから,休眠の浅い品種では休眠前の高温・長日処理によって,オフシーズンに開花・結実すること,開花・結実が連続して生じ,収穫期間が長くなることが明らかとなった.また,秋季から春季の高温・長日条件下で開花・結実し,長期取りが可能な特性は,収穫後に高温下で徒長枝先端の芽が開花する性質に加えて,新梢の葉が落葉せず光合成を長期にできる性質と休眠が浅い性質などが複合的に関与していると推察された.さらに,連続開花性を示した品種には収穫期間に長短があったので,収穫期を長期化させるためには,多くの1年生枝に開花を誘導することが必要である.そこで10月に開花が認められた4品種の開花習性と収穫期間を比較し,次いで,1年生枝の開花誘導に短日処理は有効か否かを検討した.その結果,収穫期を長期化するためには1年生枝に開花結実させることが必要であるが,この誘導には4月からの短日が有効であることが分かった.さらに,1年生枝に着果した果実は大果であることが示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学術雑誌(5報うち査読有2報),学会発表(5件),図書(1件),特許(2件)を成果として公表している.

今後の研究の推進方策

平成24年度は,秋季開花性および長期取り性(連続生産性)を具備する品種の特性,新梢の頂芽と腋芽を連続して開花・結実させる環境条件を明らかにしたが,長期取りによって樹性が低下する傾向がみられてきた.そこで平成25年度は樹性を回復させるための環境条件についても明らかにする予定である.

次年度の研究費の使用計画

直接経費次年度使用額は本年度使用予定だった外国旅費および研究成果投稿料が使用されなかったものであり、次年度に繰り越し使用予定である。また、残りの直接経費次年度使用額は研究補助の人件費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] 休眠前の高温・長日処理がブルーベリー3種の形態および生態に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      堀内尚美・車敬愛・星野裕昭・荻原勲
    • 雑誌名

      園芸学研究

      巻: 3(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 果樹工場の現状展開方向 : ブルーベリー栽培の施設化2013

    • 著者名/発表者名
      荻原勲
    • 雑誌名

      果実日本

      巻: 68 ページ: 46-51

  • [雑誌論文] Effect of cross direction and cultivars on crossability of interspecific hybridization between Vaccinium corymbosum and Vaccinium virgatum2012

    • 著者名/発表者名
      C. Miyashita, M. Mii, T. Aung and I. Ogiwara
    • 雑誌名

      Scientia Horticulturae

      巻: 142 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 四季を再現するブルーベリー植物工場2012

    • 著者名/発表者名
      荻原勲・車敬愛
    • 雑誌名

      クリーンテクノノジー

      巻: 22 ページ: 4-8

  • [雑誌論文] 四季を再現した植物工場でのブルーベリー周年生産2012

    • 著者名/発表者名
      荻原勲・有江力・車敬愛・堀内尚美
    • 雑誌名

      施設と園芸

      巻: 157 ページ: 8-14

  • [学会発表] ブルーベリー果実収穫直後に異なる日長および温度制御した樹体における開花および新梢成長応答2013

    • 著者名/発表者名
      堀内尚美・車敬愛・Thanda Aung・真弓優里香・荻原勲
    • 学会等名
      園芸学会平成25年度春季大会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      2013-03-23
  • [学会発表] 閉鎖系環境下で栽培されたブルーベリー個葉の光合成特性2013

    • 著者名/発表者名
      村松幸成・堀内尚美・関口紗央里・真弓優理香・荻原勲
    • 学会等名
      園芸学会平成25年度春季大会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      2013-03-23
  • [学会発表] Characteristics of plant vigour and fruit quality of blueberries grown under artificial condition2012

    • 著者名/発表者名
      Thanda Aung ・ 車敬愛・堀内尚美・村松幸成・真弓優理香・荻原勲
    • 学会等名
      園芸学会平成24年度秋季大会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-09-22
  • [学会発表] ブルーベリー果実連続生産法の開発(1) 1年枝の開花誘導条件および果実品質2012

    • 著者名/発表者名
      真弓優理香・車敬愛・掘内尚美・村松幸成・渡邊美帆・荻原勲
    • 学会等名
      園芸学会平成24年度秋季人会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-09-22
  • [図書] 植物工場 生産システムと流通経路の最前線2013

    • 著者名/発表者名
      荻原勲・車敬愛・堀内尚美
    • 総ページ数
      307-315
    • 出版者
      NTS
  • [産業財産権] 植物の栽培方法2013

    • 発明者名
      荻原勲・車敬愛・堀内尚美
    • 権利者名
      国立大学法人 東京農工大学
    • 産業財産権番号
      特許,特願2013-06260
    • 出願年月日
      2013-03-25
  • [産業財産権] 植物栽培システム及び植物栽培システムを用いた植物栽培方法2012

    • 発明者名
      荻原勲・車敬愛・澁澤栄・有江力・高柳正夫・帖佐直・遠山茂樹・水内郁夫・秋澤淳・桜井誠
    • 権利者名
      国立大学法人 東京農工大学
    • 産業財産権番号
      特許,特願2012146088
    • 出願年月日
      2012-06-28

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公開日: 2014-07-16  

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