ブドウには,アントシアン,タンニン,レスベラトロールなどの二次代謝産物が蓄積する.本研究では,トランスクリプトミクス,プロテオミクス,メタボロミクスを融合した「統合オミクス解析」により,ブドウにおける異なる二次代謝産物の誘導をプロファイルすることに成功した.すなわち,ブドウ果皮では紫外線照射によるレスベラトロール合成系の誘導と,果実成熟にともなうアントシアニン合成系の誘導を,培養細胞では光照射によるアントシアニンの合成系の誘導と,エリシター+ジャスモン酸処理によるレスベラトロール合成系の誘導を確認した.また,膜画分のプロテオミクスによりこれら二次代謝産物の輸送体の候補を見出すことにも成功した.
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