研究課題/領域番号 |
24380023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久保 康隆 岡山大学, 大学院・環境生命科学研究科, 教授 (80167387)
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研究分担者 |
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 准教授 (00446543)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 果実成熟 / エチレン / アレイ解析 / 形質転換体 / TILLING |
研究概要 |
果実の成熟制御機構解明は、貯蔵・流通技術の開発・改善の鍵であるとともに、園芸生理研究の焦点の一つである。トマトは果実のモデル作物と位置づけられ、国際共同による全ゲノム解析が完了し、昨年、その情報が公開された。また、国内ではナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)によって、変異体集団や完全長cDNAの収集・配布体制が整い、TILLING法や大規模DNAアレイなど種々の研究基盤も整ってきた。筆者らは、これまでにトマトDNAアレイを用いて10000個以上の遺伝子の発現を網羅的に解析し、418個の成熟関連因子を抽出した。昨年度には、これらの成熟関連遺伝子の発現様相の再確認を行うとともに、機能別の分類を行い、果実の成熟現象に特徴的な呼吸および志望代謝の増大,エチレンとABAの蓄積、細胞壁分解、光合成機能の喪失などに関与する遺伝子群を特定した。さらに、それらの制御の鍵となるs個の転写因子を抽出し,GRAS転写因子についてはRNAiコンストラクトを構築し,20系統以上の形質転換体の作成に成功した。また、細胞壁分解遺伝子としてPG(Polygalacturonase)およびPL(Pectate-lyase)遺伝子に注目し、両遺伝子を同時に抑制する形質転換体作成にも成功した。 さらに、トマト果実との比較においてキウイフルーツ果実の成熟解析にも着手し,エチレン非依存性低温誘導成熟現象を見いだした。今後、トマトの形質転換体の表現型解析、TILLING法による変異体選抜およびそれらの代謝物解析を進めて、成熟に関する鍵因子の機能解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度に計画した成熟関連遺伝子の発現パターンの確認と重要転写因子の形質転換体の作成は予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
トマトの形質転換体の表現型解析、TILLING法による変異体選抜およびそれらの代謝物解析、キウイフルーツとの比較を進めて、成熟に関する鍵因子の機能解析を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
形質転換体作成が予想よりも順調に進んだため若干の余剰が生じたが,次年度にも追加して形質転換体作成が必要になることも考えられるので,その費用として活用する予定である。
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