研究課題
リンドウのMYB転写因子(GtMYB1R1, GtMYB1R9)についてウイルスベクターによる抑制を試みたが、花色に変化は見られなかった。両遺伝子はリンドウ花弁においてアントシアニン生合成を負に制御する転写因子遺伝子と推定されるが、リダンダントに働いている可能性が示唆された。また、正の制御因子であるGtMYB3に転写リプレッションドメイン(SRDX)を付加したGtMYB3-SRDXを導入した結果、花色の抑制が観察され、ウイルスベクターによる一過的発現系が有効であることが示された。リンドウの葉や花に含まれるフラボンの構造を解析した結果、C-glycosylflavoneであるisoorientin(luteolin 6-C-glucoside)とその4’-glucosideがメインのフラボンとして含まれることが判明した。ESTデータベースの情報に基づき、フラボノイド配糖化酵素相同遺伝子の単離を試みた結果、フラボンに対する配糖化酵素活性を有する遺伝子(GtUF6CGT1)が単離された。大腸菌組換えタンパク質を用いて酵素特性の詳細な解析を行ったところ、本酵素はフラボン(apigeninとluteolin)に対する特異的な活性を有しており、その他のフラボノイド類(フラバノン、アントシアニン、フラボノール等)に対する活性は認められなかった。さらに、本酵素遺伝子をトレニアに導入したところ、花弁でisoorientinの蓄積が認められ、GtUF6CGT1はin vivoでの活性を有することが示された。このことからリンドウはフラボン骨格が直接配糖化される経路を有することが示唆された。コピグメント効果については検証中である。リンドウの新規トランスポゾンの単離については、昨年度に引き続き解析を実施したが、自立型転移因子の同定には至らなかった。花弁におけるメタボローム解析を実施した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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