本研究では、イネの生活環においてオートファジーが果たす役割について解析を進め以下の成果を得た。(1) オートファジー欠損変異体イネを単離した。(2) 蛍光タンパク質マーカーを発現する形質転換体を作成しイネにおけるオートファジーの可視化・評価系を構築した。(3)変異体イネでは、生殖成長が遅延し出穂が遅れること、さらには花粉や葯の発達が不完全となり雄性不稔となることを明らかにした。(4) 変異体イネでは、 栄養成長期に葉緑体タンパク質の分解や窒素転流が滞り、個体の窒素利用効率や乾物生産が低下することを明らかにした。
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