研究課題/領域番号 |
24380046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 猛 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10174038)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 情報伝達 / 植物 / 概日時計 / ホルモン / 形態形成 / 遺伝子発現 / 温度適応 / 季節感知 |
研究概要 |
本課題の目的と計画に従い研究を推進して本年度は次のような成果を得た。 シロイヌナズナの胚軸伸長は日長条件により制御されており、短同条件では顕著な伸長促進か観察される。その分子機構には赤色光受容体phyBと概日時計に制御されているbHLH型転写因子PIF4(胚軸伸長促進因子)が重要な働きをしている。PIF4タンパク質は光条件下ではphyBにより分解される。一方、PIF4遺伝子は長日条件下では日中でのみ転写されるが、短日条件下では夜の終わりにも転写がみられる。この転写制御には日長変化を感知した概日時計が関与している。結果として、短日条件下(夜の終わり)にのみPIF4タンパク質が働くことで胚軸や葉身の伸長が促進される。このように外的日長条件と内在性PIF4概日リズムが符合することで短日特異的な胚軸伸長起こると考えられる。これが最近我々の提唱した外的符合モデル(External Coincidence Model)である。しかし、長日条件下でも高温(28℃)では常温(22℃)と比較してPIF4に依存した顕著な胚軸伸長が見られることが最近相次いで報告された。この現象は我々の符合モデルでは即座には説明できない。 今年度は、この現象も我々の符合モデルを少し拡張するだけで説明できるか否化を検討した。その成果として、同長と温度という二つの外的条件とPIF4リズムが符合することで季節(日長と気温変化)に応答した胚軸や葉身の伸長制御がなされているという新規な拡張モデルを提案し、論文として報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的・計画に沿った成果を4報の論文に纏める事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
A-2根粒菌の根粒形成制御に関わるτCS系の包括的遺伝・生理解析 C-1高等植物におけるTCS系を介した成長ホルモン応答や概日時計機構の包括的解析 などを含め、申請書に記した年次計画どおりに研究を推進する.
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次年度の研究費の使用計画 |
一部機器の発注・納入が間に合わなかったので基金分を繰り越した。翌年度の研究費と合わせる事でより研究の推進に適した高性能の器機を購入する予定である。
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