研究課題/領域番号 |
24380052
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 俊二 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, ユニットリーダー (30311608)
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研究分担者 |
奥村 英夫 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (90377903)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生合成 / スピロアセタール / アルキルマロニルCoA / リベロマイシン / 放線菌 / ポリケチド |
研究概要 |
I. スピロアセタール形成機構の解明:スピロアセタール環形成に関わる酵素であるRevG、RevJの結晶化条件の検討を進めたが、現在まで良好な結晶を得ることに成功していない。X線構造解析は、基質認識に関わる構造基盤の解明に重要であることから、今後も研究を推進する必要がある。 II. 新規エステル化酵素反応の解明:RevK、RevLの多量体形成について知見を得るために、Superdex200を用いたゲル濾過を検討した。精製タンパク質の混合条件によってrevK/Lの結合状態に差が認められ、相互作用の条件を見出すには更なる検討が必要と判断した。また、RevL酵素活性の検討を行ったところ、高活性化にはHis-tagの除去が必須であることを見出し、最適化条件でMESGを用いたRevLの基質特異性検討を行った。 III. アルキルマロニルCoA生合成機構の解明:還元カルボキシル化酵素(RevT)の基質となりうる炭素鎖長の異なるt-Δ2エノイルCoAの供給メカニズムを検証した。AMP結合モチーフを有するRevSを精製し、様々な脂肪酸基質との反応を解析したところ、様々な遊離の中鎖脂肪酸をアシルCoA体に変換できることを見出した。また、脂肪酸β酸化経路によりアルキル側鎖長の異なるt-Δ2エノイルCoAを生成しRevTの基質として利用されるという仮説を検証するために、13C標識された脂肪酸の取り込みを行った後にRM類を精製し、13C-NMRにより標識位置を解析した。さらに、重水素標識された脂肪酸の取り込み実験を行い、RM代謝産物をLC-MS解析することで、上記経路を検証することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
I. スピロアセタール形成機構の解明では、結晶化に成功していないが、II. 新規エステル化酵素反応の解明およびIII. アルキルマロニルCoA生合成機構の解明の研究は計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
I. スピロアセタール形成機構の解明:RevG、RevJタンパク質について、昨年度の実験データを基盤として引き続き結晶化実験を行う。精製度の向上や異なる結晶化条件の検討を行う。 II. 新規エステル化酵素反応の解明:RevL/RevKに加えてRevMの反応機構解析を行う。それぞれ結晶化の検討もおこなう。 III. アルキルマロニルCoA生合成機構の解明:昨年度の成果をさらに発展させるために、RevS、RevTに加えてRevRの機能解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究の進展状況を考慮し、効率的に研究成果を挙げるためには、平成26年度に研究を集約させることが重要と判断した。 25年度の基礎研究に基づき、結晶化研究をさらに加速させるために、蛋白質精製システムを改良する。また、新たな結晶化の検討に向けて予算を使用する。 また、26年度は最終年度であり、多くの研究成果発表が見込まれるため、国際学会、国内学会の旅費、論文発表に使用する。
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