研究課題/領域番号 |
24380053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00302589)
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研究分担者 |
芦田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
藤田 清貴 鹿児島大学, 農学部, 助教 (20381189)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖質分解酵素 / ビフィズス菌 / 血液型抗原 / β-アラビノオリゴ糖 / 複合糖鎖 |
研究概要 |
1、発現コンストラクトの作製:4種類のターゲット((1)B-Ga1ABb、(2)NagBb、(3)HypBA2、(4)HypBA1)のうち、(1)B-GalABbおよび(3)HypBA2で多数のdeletionコンストラクトを作製してその性質を調べた。(1)については、24-700残基のコンストラクト(B-Gal1Bb-de1700)が、(3)についてはC末端側を300~537残基欠失したCΔ300、CΔ404、CΔ537の活性が高く、十分な安定性を備えていることが確認された。ただし、CΔ537はCa2+存在下で活性が発現することが判明した。 2、欠失コンストラクトの作製が必要ない(2)NagBb、(4)HypBA1に加えて、上記の欠失コンストラクトを用いて、大腸菌での大量発現条件を検討した。その結果、全てのコンストラクトで大量発現(10mg/培養L以上)させることに成功した。結晶化条件の探索の結果、(1)B-GalABb-de1700と(4)HypBA1で構造解析可能な結晶が得られ、両方で最大2.0Åのnativeデータセットを測定することに成功した。さらに、(4)HypBA1では、SeMet置換体を作成してデータ測定を行った結果、SAD法により位相決定に成功し、GH127として世界初の立体構造の決定に成功した。(1)B-GaIABb-de1700はSeMet置換体がnative結晶と同様の条件で成長しないため、他の結晶化条件の探索および他の位相決定法を検討中である。残り2種類のターゲットに関しては、いくつかの条件で微結晶が得られているものの、構造解析に適した結晶が得られないため、引き続き条件検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度はコンストラクト作製と結晶化条件の検討までを予定していたが、4種類のターゲットのうち、すでにそのうち1つで、予定以上の進展があり、結晶構造の決定に成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
立体構造の決定に成功した(4)HypBA1に関しては、リガンドとの複合体の構造を決定し、基質認識と反応機構の解明を目指す。(1)B-Ga1ABb-de1700は結晶化条件が確定しているため、位相決定を目指す。他のターゲットに関しては、結晶化の条件検討を行う。研究計画に特に変更はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
雇用している研究員の人件費の最終月(3月)の支出額の確定が遅くなったために、約7万円の残額が出た。来年度の物品費(消耗品)として使用する予定である。
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