逆ミセル反応場を用いた新たな方法の導入により、選択的ジスルフィド結合形成の精密制御とフラグメント合成技術を組み合わせることによって、目的のペプチド分子の合成を試みた。その結果、分子間架橋形成反応を行った複数のペプチドフラグメントについて、それぞれを任意の位置関係で結合させるための合成法を確立した。また、各フラグメントには一つの疎水性タグを結合させ、逆ミセル反応場により、当量反応によるペプチド鎖伸長反応を実現した。さらに、ペプチド骨格が形成された後、疎水性タグ、その他の脱保護反応を実施した。これらの新たな方法を組み合わせ、インスリンを構成する基本ユニットをそれぞれ効率よく合成することに成功した。
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