β-グルカンは、植物、藻類、菌類、酵母などの細胞壁に含まれる多糖で、ブドウ糖を構成成分とするが、消化酵素による分解を受けない食物繊維の一つである。β-グルカンが腸管から体内に取込まれて腸管免疫系を活性化する可能性を、腸粘膜上皮を模倣した細胞培養系とウイルスおよびウイルス様粒子を用いて解析した。貪食系細胞に取込まれたβ-グルカンは細胞内で部分分解されて細胞外に放出され、周辺の細胞を刺激し活性化すること、さらに活性化された細胞から多様な液性因子が放出されることなどを明らかに、それらにより腸管粘膜上皮のウイルス抵抗性が増すことを示唆した。
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