研究課題
本研究は、申請者らが独自に開発したビタミンC(VC)を体内で合成できないSMP30/GNL遺伝子欠損マウスを用いて、妊娠期間中、母胎のVC不足が胎児の発生や新生児、小児の成長に及ぼす影響、並びに慢性的なVC不足が慢性閉塞性肺疾患(COPD)、骨粗鬆症、アルツハイマー病など、加齢に伴い増加する疾患の発症や老化そのものに及ぼす影響を包括的に探る。本研究により、VCの不足が発生、成長、老化など一生涯に渡り、生体にどのような影響を及ぼすか明らかにできる。平成26年度、SMP30/GNL遺伝子欠損マウスを用いて、ビタミンCの不足が肺に及ぼす影響並びに十分なビタミンCの摂取が喫煙によるCOPD発症リスクを下げられるか検討を行った。即ち、SMP30/GNL遺伝子欠損マウスを生後3ヵ月齢までビタミンCを十分に与えて飼育し、その後、①ビタミンC不足群と②ビタミンCを十分に与える群の2群に分けた。さらに①②各群をタバコ煙曝露群と大気曝露群の2群ずつ(全部で4群)に分け、喫煙暴露させた後、肺の形態学的評価、酸化ストレスの程度を測定した。その結果、ビタミンCを十分に与えた群は、タバコ煙曝露により軽度の平均肺胞径の増大や肺胞の破壊を認めたが、酸化ストレスの亢進は認められなかった。一方、ビタミンC不足群では酸化ストレスが増大し、顕著な肺胞の破壊を認めた。このように、ビタミンCの不足が肺における酸化ストレスの増大や肺胞の破壊を招くことが明らかになった。また、予めビタミンCを十分に摂取すると喫煙によるCOPD発症リスクを下げられることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 5件) 図書 (5件) 備考 (2件)
Geriatr Gerontol Int
巻: 14(4) ページ: 989-95
10.1111/ggi.12162
Eur J Nutr
巻: 53(1) ページ: 177-85
10.1007/s00394-013-0515-9
Am J Respir Cell Mol Biol
巻: 50(2) ページ: 347-57
10.1165/rcmb.2013-0121OC
Biochim Biophys Acta
巻: 1840(7) ページ: 2289-98
10.1016/j.bbagen.2014.03.019
FEBS Open Bio
巻: 4 ページ: 522-32
10.1016/j.fob.2014.05.003
J Agric Food Chem
巻: 62(38) ページ: 9286-95
10.1021/jf502587j
http://www.aging-regulation.jp/
http://www.vit-c.jp/index.php