研究課題/領域番号 |
24380077
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 正人 信州大学, 農学部, 教授 (40345757)
|
研究分担者 |
大地 純平 山梨県森林総合研究所, 経営機械科, 研究員 (00536279)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 森林資源 / リモートセンシング / 森林計測 / バイオマス / 自動区分 |
研究概要 |
本研究は、次世代リモートセンシング技術として、同一対象地を高分解能人工衛星、航空機、自動空撮UAVによる撮影高度の異なる多段階センシングデータを用いて、樹冠抽出に関するオリジナル技術を高密度の針葉樹人工林や天然林に適用し、高精度の単木樹冠抽出と樹種分類を行う手法を開発する。さらに、レーザー計測による高さ情報の取得により、高精度な森林バイオマスの推定方法を確立する。 平成25年度は日本の三大美林で、樹齢350年のヒノキ天然林のある木曽赤沢自然休養林の学術参考保護林で、地形や、本数、樹冠占有面積割合の異なる場所に精度検証のための詳細な試験地(1ha)の試験地を4カ所設定し、高分解能人工衛星、航空機から多段階センシングデータを取得した。研究代表者が開発したアルゴリズム(特許第4900356号)を用いて、高精度な単木樹冠抽出を行い、樹種別の立木位置と本数画像を作成した。現地調査で比較・検証した結果、いずれのデータも85%以上の画像からの抽出精度となった。森林バイオマスの推定には3次元の樹高の情報が必要であり、航空機で撮影されたレーザー計測データの解析に取り組んだ。この研究成果は10月にアセアンリモートセンシング学会で発表した。また、中国北京市で開催された森林レーザー学会(SilviLaser2013)に出席して、世界の森林レーザー研究者たちと交流し、2014年度からフィンランド国最先端レーザー研究所のHyyppa所長と国際共同研究を開始することになった。招待講演は3月にインドネシアボゴール農科大学森林学部で大学院生への研究指導と招待講演を行った。国内では信州大学地域連携フォーラム、山岳科学総合研究所シンポジウム等で講演した。研究成果は第124回日本森林学会で口頭発表した。市町村への技術指導として、信州大学農学部が所在する長野県南箕輪村で森林整備に関する支援を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の基盤となる高精度なデータの取得、データ解析、開発技術の海外ジャーナル掲載、国際学会での研究成果の発表、国際共同研究の進展など計画通りに進んでいる
|
今後の研究の推進方策 |
高精度な森林バイオマス推定に関して、今まで光学センサ(二次元座標)をもとにした単木レベルの樹種分類と現地調査による樹高推定値を組み合わせで行っていた。一方、世界的にレーザー計測による自動の樹高値を加えることで、より正確に広範囲のバイオマスが自動算定できる可能性が出てきた。そこで、レーザーによるバイオマス推定を先駆的に取り組んでいるフィンランド国最先端レーザー研究所と国際共同研究を進め、日本の森林管理に大きく貢献できる新たな技術開発を進めていく。研究室の大学院生も国際共同研究に参画させることで、レーザー計測の人材育成と森林バイオマスの分野で世界から注目される研究室を目指していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初計画よりも安値で研究が遂行できたため、次年度使用額が生じた。 最終年度として、研究成果について、積極的に国際学会で研究発表する共に海外研究者と国際共同研究を進める。残額については研究室の大学院生をフィンランド国との国際共同研究に参画させ高精度の森林バイオマス推定研究に取り組むことに使用する。
|