研究課題/領域番号 |
24380087
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
吉丸 博志 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, 園長 (20353914)
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研究分担者 |
松本 麻子 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (90353862)
加藤 珠理 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (90467217)
勝木 俊雄 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, 主任研究員 (10353640)
岩本 宏二郎 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, 主任研究員 (70353597)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | サクラ / 遺伝資源 / 遺伝的識別 / 系統解析 |
研究概要 |
全国の主要なサクラ栽培品種を網羅した遺伝子解析により、伝統的栽培品種の遺伝的識別と系統解析を実行し、サクラ遺伝資源の管理体制を構築することを、試験研究期間を通じての達成目標とする。 森林総合研究所多摩森林科学園サクラ保存林、国立遺伝学研究所および新宿御苑に集植されている栽培品種を対象とした遺伝的識別の先行研究に基づき、さらに全国の主要なサクラ栽培品種を網羅する高精度な識別を行うため、当年度は昨年度の調査地に加えて、さらに京都御苑、北海道松前見本園、日本花の会結城農場、石川県林業試験場、日光植物園、神代植物公園、小金井公園、吹上御所などにおいて、解析試料の収集を行った。これらのサンプルについては形態解析を行うとともに、DNAの抽出を行った。 野生種10種から計311個体(種あたり約30個体)を収集した試料を用いて遺伝子型解析を行い、これに基づき栽培品種215クローンの成立に関与したと考えられる野生種の推定を行い、原著論文として公表した。 また、これまでのサクラ栽培品種に関する再分類の成果をまとめた公刊図書「サクラ保存林ガイド」を発行した。 さらに、先行研究を含めて、これまでに得られた遺伝的識別などに関する研究成果を広く情報交換するため、松前町、弘前市、日本花の会、日本さくらの会、果樹研究所、新宿御苑、東京都公園協会、日光植物園、富山県中央植物園、石川県林業試験場などの担当者を多摩森林科学園に招聘して、「サクラ系統保全のための集植機関担当者による情報交換会議」(2013年2月27日、東京)を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施正確にあげた6項目(全国広範囲な栽培品種試料の収集、栽培品種試料の形質情報の解析、栽培品種試料の遺伝子情報の解析、遺伝子型情報と形質情報を統合して、栽培品種の高精度なクローン識別を行う、野生のサクラ集団の収集と遺伝子情報の解析、栽培品種と野生種との系統関係の解明)を予定通りに実行して、これらのデータに基づく1論文を公表した。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに順調に進んでおり、当初の計画どおりに推進する。研究計画の変更や遂行する上での課題はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
多数の遺伝的多型マーカーを開発するために、次世代シーケンサーを利用したRad-seq解析を行う予定でおりましたが、これには多数のサクラ品種系統をまとめて解析したほうが効率がよく、必要な数の品種系統のDNAをそろえるのに年度内では少し時間が足りないと判断されたため、少ない数で非効率に解析するよりも、次年度にまとめて十分な数のサンプルを一気に解析したいと考えて、繰り越ししました。 約200系統のサクラ栽培品種を対象として、次世代シーケンサーを用いたRad-seq解析を行います。
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