研究課題/領域番号 |
24380088
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研究機関 | ミュージアムパーク茨城県自然博物館 |
研究代表者 |
山崎 晃司 ミュージアムパーク茨城県自然博物館, その他部局等, 研究員 (40568424)
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研究分担者 |
坪田 敏男 北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (10207441)
小池 伸介 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40514865)
清水 慶子 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90135616)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 森林動物 / ツキノワグマ / 行動生態 / 栄養状態 / 繁殖生理 |
研究概要 |
ツキノワグマの行動生態研究の多くは,秋の食欲亢進期(飽食期)に行われており,本種の春から夏の行動生態はほとんど解明されていない。先行研究および応募者らの研究でのスナップショットでは,秋の蓄積脂肪を翌年の冬眠明け後から晩夏まで利用している可能性が示唆される。本研究では,衛星通信型の活動量センサー付GPS 首輪,体内埋め込み型心電データレコーダーなどの機材を駆使し,春から夏の冬眠明け時期に着目して,野生グマの栄養・生理状態の把握によりその行動生態の解明を,性,齢級,社会的ステータスごとに試みるものである。また春から夏のツキノワグマの行動を評価することは,これまで秋の堅果結実の多寡だけでは説明できていない,本種の晩夏の人里への出没機構の解明にも光を当てることが期待できる。 平成25年度では,日光足尾山地の足尾地区において計11頭(オス5頭,メス6頭)のツキノワグマを学術捕獲して,内7頭にGPS首輪を装着した。日光地区では,計2個体(オス2頭)を捕獲して,その内1個体にGPS首輪を装着した。内3個体は,活動量センサー付きのイリジウム衛星通信型のGPS首輪(ドイツ・Vectronic社)であった。なお,国産GPS試験首輪の装着試験のために,奥多摩山地においても,計3個体を捕獲して機器装着を行った。すべての個体について,インピーダンス計を用いた体脂肪計測装置により体脂肪量を測ると共に採血を行い,繁殖にかかる性ホルモンの分析を行い,栄養状態と受精および妊娠のタイミングの関係の検討を行った。同時に,日立市かみね動物園,横浜市ズーラシア動物園において,飼育ツキノワグマからの定期的採材(糞,尿)を進め,性ホルモン量の経時的変化のモニタリングをすると共に,阿仁クマ牧場で飼育ツキノワグマ2個体に,深部体温および心拍数を計測できるインプラントを挿入して,活動量センサーの値との比較実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りにおおむね順調に進行しているが,野生個体への体内埋め込み型心電データレコーダーの装着については,当初予定していたドイツ製(Vectronic社)インプラント装置の一部機能に不十分な点があり,飼育個体での試験をまず行うと共に,新たにアイスランド製(Star-Oddi社)の心拍計の導入を26年度から行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
体内埋め込み型心電データレコーダーの装着については,25年度に飼育個体で臨床実験を行ったドイツ製インプラント装置を野生個体へ適用すると共に,アイスランド製心拍計も併用して研究を進める。これらの生理研究に先行実績を持つ,ノルウェー・ヘードマルク大学のクマ研究チームから技術移転を受けながら安全に作業を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
体内埋め込み型心電レコーダーの野生個体への適用が遅れたことによる。 体内埋め込み型心電レコーダーと同等の計測が可能な体内埋め込み型心拍計の購入を行う予定である。
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