スギ(Cryptomeria japonica)は、我が国の主要な造林樹種となっている。一方で、枝葉や加工に伴う廃材など、スギ材の生産過程における未利用資源の有効活用が重要な課題となっている。本研究では、枝葉部ならびに材部精油の新たな機能性を見出すことを目的とした。そこで、枝葉部ならびに材部精油をそれぞれ調製し、前者には、モノテルペンが、後者には、セスキテルペンが主要成分であることが判明した。さらに、それらのヒトの生理心理応答について検討したところ、それぞれに異なる生理・心理応答が観察され、さらに濃度を変化させた検討により、提示空気中の揮発成分の質的・量的な違いが寄与していることが示唆された。
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