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2012 年度 実績報告書

スギ木部形成関連遺伝子データベースの構築に向けたEST単離と網羅的発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 24380098
研究種目

基盤研究(B)

研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

藤原 健  独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (00353839)

研究分担者 黒田 克史  独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (90399379)
山下 香菜  独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (60353900)
井城 泰一  独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 主任研究員 (40370845)
能勢 美峰  独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 研究員 (20582753)
織部 雄一朗  独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター東北育種場, 室長 (40370853)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードスギ / 材形成 / 遺伝子発現 / データベース
研究概要

形成層帯における通年の遺伝子発現動態を把握するために活動期と休眠期のcDNAライブラリーを統合し、EST情報の整理とマイクロアレイの設計を行った。その結果、21,880 targetsを搭載したマイクロアレイチップが作成できた。このマイクロアレイチップを用いて、3/8,4/1,4/27,5/16,6/22,7/12,9/12,10/28,11/21,12/12,1/10,2/10の通年のサンプルによってマイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ分析の結果、形成層帯における通年の発現動態を明らかにすることができた。約2万遺伝子の挙動は、形成層活動期と休眠期で明確に発現動態が変化していた。特に、同時にサンプリングした形成層帯及び木部分化帯の顕微鏡観察の結果との対比により、休眠期から形成層活動期に移行する形成層再活動時期において、遺伝子発現動態に関連して木部形成段階が進行すること、さらに形成層における新たな細胞形成が低下する形成層活動期から活動終了期に移行する際の遺伝子の発現動態についても明確に捉える事ができた。
休眠期に樹幹に局部加温処理を施した個体の加温部における遺伝子発現を予備的にマイクロアレイ解析したところ、加温開始後、耐寒性などの冬季に発現する遺伝子群にかわり、細胞分裂や木部形成に関わる遺伝子群が順次高発現することが明らかになった。さらに詳細に検討するため、休眠期にあたる平成25年2月15日にスギ3個体への局部加温処理を開始した。加温開始当日を含めほぼ毎日、加温部と加温していない部分から試料を採取し、現在解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(通年を通したサンプリングによるESTの収集が予定通り進行した。また、樹幹部位別のマイクロアレイ解析による遺伝子発現プロファイルを構築した。形成層再活動時期に焦点をあてた遺伝子発現プロファイルを得て木部形成との対比を行った。さらに、休眠期に局部加温処理を行ったものの試料採取を行った。スギ遺伝子のシロイヌナズナへの導入法の検討にも着手した。以上のように平成24年度に予定した計画はほぼ計画通りに進捗した。

今後の研究の推進方策

25年度より研究分担者を加える以外には研究計画に変更はなく、次年度に予定しているEST情報のデータベース化についての検討、局部加温により人為的に休眠状態にある形成層帯の分裂活動を再開させた場合における遺伝子発現プロファイルの解析、遺伝子組み換え手法の検討等を行う。

次年度の研究費の使用計画

経費の適切な使用に努めたが、物品等の購入において端数が生じたため「直接経費次年度使用額」が生じた。この次年度使用額は今年度において物品購入経費に繰り入れて使用することにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] The cryo-TOF-SIMS/SEM system for the analysis of the chemical distribution in freeze-fixed Cryptomeria japonica wood2013

    • 著者名/発表者名
      黒田克史
    • 雑誌名

      Surface and interface analysis

      巻: 45 ページ: 215-219

    • DOI

      10.1002/sia.4979

    • 査読あり
  • [学会発表] 圧縮あて材の細胞間隙形成過程に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      平井阿佐美
    • 学会等名
      木材学会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2013-03-28
  • [学会発表] スギ材形成に関与する遺伝子群の探索(7) : スギ形成層帯における通年の時系列発現プロフファイル2013

    • 著者名/発表者名
      三嶋賢太郎
    • 学会等名
      木材学会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2013-03-28
  • [学会発表] 形成層帯の休眠打破期の前後に局部加温処理を施した冷温帯に生育する常緑針葉樹(スギ)の樹幹部における木部形成2013

    • 著者名/発表者名
      織部雄一朗
    • 学会等名
      木材学会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(岩手県盛岡市)
    • 年月日
      2013-03-28
  • [学会発表] ヒノキ、カラマツ、トドマツ心材形成過程における木部の水分布変化のCryo-SEM解析2013

    • 著者名/発表者名
      黒田克史
    • 学会等名
      木材学会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市盛岡市)
    • 年月日
      2013-03-27
  • [学会発表] スギ早期選抜にむけたEST情報の収集と網羅的発現解析2013

    • 著者名/発表者名
      三嶋賢太郎
    • 学会等名
      森林学会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市盛岡市)
    • 年月日
      2013-03-26
  • [学会発表] New Approach of Chemical Distribution in a Frozen-Hydrated Wood Sample Using the Cryo-TOF-SIMS/SEM System2012

    • 著者名/発表者名
      Katsushi Kuroda
    • 学会等名
      IUFRO Division 5
    • 発表場所
      ポルトガル
    • 年月日
      20120700

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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