研究分担者 |
黒田 克史 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (90399379)
山下 香菜 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (60353900)
井城 泰一 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 主任研究員 (40370845)
能勢 美峰 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター育種部, 研究員 (20582753)
織部 雄一朗 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター東北育種場, 室長 (40370853)
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研究概要 |
形成層帯における通年の遺伝子発現動態を把握するために活動期と休眠期のcDNAライブラリーを統合し、EST情報の整理とマイクロアレイの設計を行った。その結果、21,880 targetsを搭載したマイクロアレイチップが作成できた。このマイクロアレイチップを用いて、3/8,4/1,4/27,5/16,6/22,7/12,9/12,10/28,11/21,12/12,1/10,2/10の通年のサンプルによってマイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ分析の結果、形成層帯における通年の発現動態を明らかにすることができた。約2万遺伝子の挙動は、形成層活動期と休眠期で明確に発現動態が変化していた。特に、同時にサンプリングした形成層帯及び木部分化帯の顕微鏡観察の結果との対比により、休眠期から形成層活動期に移行する形成層再活動時期において、遺伝子発現動態に関連して木部形成段階が進行すること、さらに形成層における新たな細胞形成が低下する形成層活動期から活動終了期に移行する際の遺伝子の発現動態についても明確に捉える事ができた。 休眠期に樹幹に局部加温処理を施した個体の加温部における遺伝子発現を予備的にマイクロアレイ解析したところ、加温開始後、耐寒性などの冬季に発現する遺伝子群にかわり、細胞分裂や木部形成に関わる遺伝子群が順次高発現することが明らかになった。さらに詳細に検討するため、休眠期にあたる平成25年2月15日にスギ3個体への局部加温処理を開始した。加温開始当日を含めほぼ毎日、加温部と加温していない部分から試料を採取し、現在解析を進めている。
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