研究課題/領域番号 |
24380112
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
沖野 龍文 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (30280910)
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研究分担者 |
松田 冬彦 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (10219446)
梅澤 大樹 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (20503618)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 付着阻害 / タテジマフジツボ / 紅藻 / ブロモペルオキシダーゼ / ブロモアレン / ハチジョウジマレン |
研究実績の概要 |
トリテルペノイドであるチルシフェロールを生産するマギレソゾからゲノムDNAを抽出し、インバースPCRによりマギレソゾのバナジウム依存型ブロモペルオキシダーゼ(LsVBPO)を取得した。C15化合物を生産するウラソゾやミツデソゾ由来のVBPOとの同一性は65%であり、バナジウム活性中心を校正するアミノ酸残基は良好に保存されていたものの、配列の差異が大きいことがわかった。ゲノムDNAからクローニングされたLsVBPOは、藻体で発現していることが確認された。そのPCR産物はゲノムDNA由来のLsVBPO全長配列に対して97%の同一性を示し、イントロンを含まないことが示された。大腸菌発現系でLsVBPO組み換えタンパク質を調製し、酵素の性状を調べた。臭素付加活性はウラソゾに比べて低く、至適pHや温度体制にも若干の差がみられた。また、透析・濃縮により失活するなど、ウラソゾのVBPOに比べて不安定であった。 ハチジョウジマレンは、八丈島産未同定ソゾから単離されたブロモアレンを有する化合物である。タテジマフジツボに対する付着阻害活性はEC50が150 ng/mLと非常に強い。ハチジョウジマレンの構造についてデータを精査した上で、学会発表を行った。 さらに、ハチジョウジマレンの全合成を目指してD-グルコースを出発物質としてヘミアセタールを合成し、1,3-ジケトンとのカップリング反応を鍵反応とする合成計画をたて、カップリング反応の反応物の調製、モデル化合物による鍵反応の条件検討などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通りトリテルペノイドを生産するマギレソゾのブロモペルオキシダーゼについて解析を進めることができた。また、ハチジョウジマレンの全合成研究も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シークエンサーのデータも活用して生合成酵素研究をさらに加速させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度使用額の支払日が26年4月以降となったため、帳簿上生じたもの
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次年度使用額の使用計画 |
実際には平成25年度に全額使用済み
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