研究課題/領域番号 |
24380119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
櫻井 清一 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (60334174)
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研究分担者 |
栗原 伸一 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (80292671)
新開 章司 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (30335997)
大浦 裕二 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 主任研究員 (80355479)
横山 繁樹 (独)国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (30425590)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / インドネシア:アメリカ / 農業経済学 / 農村社会学 / 農村多角化 / 農業経営 / テーマ・コミュニティ |
研究概要 |
農村住民だけでなく,都市住民や消費者も関与した経済多角化活動の特徴とその成果を明らかにするべく,新たなコミュニティ概念の考察,多角化活動のマネジメント方式の考察,および多角化活動の評価手法の開発に取り組んでいる。本年度の主な成果は以下のとおり。 1)インドネシア・ジャワ島における薬草資源の流通構造を分析し,多段階の経路が形成されていること,一次加工の機能も担う産地商人の役割が重要であること,品揃え形成のため大消費地から川上の流通業者に向けての迂回的な流通経路も形成されていることを明らかにした。 2)日本政府の農商工連携事業と6次産業化事業計画の導入経過と進捗状況を考察し,関係者の関心が大規模農業経営体の個別多角化に偏っていることと,地域の原料を用いた加工事業に偏っており,サービス業との連携が弱いことを問題点として指摘した。 3)アメリカのCSAの運営方式について,東海岸と西海岸の事例の比較考察を行い,発足当時重視していたとされる援農活動や消費者の経営計画参加などが弱体化し,産品を継続的に栽培し供給・購入するためのマネジメントが重視されつつあること,こうした潮流が全土的に展開していることを明らかにした。 4)政策過程の分析と事例考察から,日本型グリーン・ツーリズムの特徴が都市住民の反復的滞在を前提とした小規模ながら心理的交流や地域社会との繋がりを重視している点にあることを明らかにした。 5)近年問題視されている「買い物難民」問題について,GISと統計資料を活用し食料品アクセス状況を可視的に把握するツールを制作し,過疎地域および東日本大震災の被災地域にて試行を行った。 6)東日本大震災発生後の農村コミュニティの変容およびボランティアの参画等による非被災地住民との交流活動の変化について予備的考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の柱をコミュニティ系・マネジメント系・評価系の三つに分け,進行管理を行っている。 コミュニティ系およびマネジメント系についてはおおむね計画通りに進展している。評価系評価系の分析において,2010年農林業センサスの統計の刊行が遅れているため未着手の部分があるが,計画の進捗を大幅に遅らせるものではない。また論文として公表されていないが,2005年度までのデータ分析は計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
コミュニティ系の課題については,山口県での分析対象を集落営農組織に変更するが,分析課題そのものは変更しない。また地域ブランド計測について,対象をB級グルメに取り組む地域に限定して詳細な分析を試みる。 マネジメント系については,計画の変更はないが,具体的な分析対象として,CSAやオーナー制度など,都市住民の継続的な契約を前提とする取り組みを重視する。 評価系については,2010年農林業センサスの公表データを分析に取り込む。また経済多角化活動の社会的効果について.00L論などを援用して分析枠組を構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が発生した理由は,端数的な残金の発生,購入時の割引による余剰の発生,および年度末検討会に参加予定だった連携研究者のやむをえぬ事情による不参加による旅費の残額発生である。いずれも研究計画遂行に問題を来すものではない。したがって各研究者が今年度の研究費とあわせて有効に活用する予定である。
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