研究課題/領域番号 |
24380125
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小田切 徳美 明治大学, 農学部, 教授 (10201998)
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研究分担者 |
橋口 卓也 明治大学, 農学部, 講師 (40282701)
中川 秀一 明治大学, 商学部, 教授 (00298415)
安藤 光義 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40261747)
図司 直也 法政大学, 現代福祉学部, 准教授 (60442563)
高柳 長直 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60226933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 農村地域 / 内発的発展 / 農村計画 / 日英比較 / 地域づくり / 農村発展戦略 |
研究概要 |
内発的発展論は、農村再生の一般的理論として、強い支持を得てきたものの、近年では日英両国で、「地域の実情に合わない」という批判がある。本研究では、このように両国から起きた議論を足がかりとして、その背景となった農村実態の解明とその日英比較を通じて、農村における内発的発展論を理論面、実践面で刷新し、新たな農村発展戦略を描き出すことを目的とする。 こうした課題設定から本研究では、内発的発展論の理論形成・展開過程を文献等から明らかにする理論班、日本国内の内発的発展過程を実態調査により明らかにする国内班、比較対象となる英国農村を現地調査により明らかにする英国班に分かれて活動し、全員が参加する総括班によりその研究成果を束ね、総合化するという役割分担で進めた。 初年度は、主として研究のフレームワークの確認と強化、そして理論的検討の場とした。そのために、次の内容を実施した。第1に、総括班(全員)による研究課題の確認等の研究会を行い、内発的発展論の到達点を集中的に討議し、農山村におけるその意義と限界を明らかにした。第2に、英国班による、英国での「ネオ内発的発展論」の提唱者やその関係者からのヒヤリングを行い、その議論の到達点の概況を明らかにした。同班ではあわせて、次年度(平成25年度)における英国農村調査の打ち合わせやそのための予備的な現地情報の収集を行った。また、理論班では、国内外の内発的発展論の集中的検討のための予備的な作業を実施、日英の議論の共通点と相違点を明らかにした。そして、国内班では、日本国内における集中的検討の場となる新潟県と大分県における実態調査を行い、それぞれの農村の発展プロセスを、市町村から集落レベルの各単位で明らかにした。 以上の作業を共有化し、総合化することを目的に、総括班での議論を行い、翌年度の研究課題とその進捗のための整理を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究の目的」で記載したほぼすべての内容を実施することができた。特に、各班別の取り組みは順調に進んでおり、総括班(全員参加)による情報の共有化も問題なく進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度~27年度も計画通りに進める予定である。25年度は英国調査、26年度は国内調査、そして27年度は総括が中心となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度には予定していた英国班の訪英のうち2名の旅費支出を控えた(「基金」として繰り越し)。これは、この2名が科研以外の業務での訪英の機会があり、その際に一部の旅程を利用し、当初通りの目的を遂行することができたためである。これにより、次年度以降の訪英旅費や国内旅費の充実に資することが可能となった。そのため、研究の全体には、むしろ好影響をもたらすことが期待される。
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