• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

内発的農村発展戦略に関する日英比較

研究課題

研究課題/領域番号 24380125
研究機関明治大学

研究代表者

小田切 徳美  明治大学, 農学部, 教授 (10201998)

研究分担者 中川 秀一  明治大学, 商学部, 教授 (00298415)
佐藤 真弓  明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00445850)
山浦 陽一  大分大学, 経済学部, 准教授 (20462260)
安藤 光義  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40261747)
橋口 卓也  明治大学, 農学部, 准教授 (40282701)
宮地 忠幸  国士舘大学, 文学部, 准教授 (40339354)
中塚 雅也  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40432562)
高柳 長直  東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60226933)
神代 英昭  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60431699)
図司 直也  法政大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60442563)
中島 正裕  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436675)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード農村地域 / 内発的発展 / 農村計画 / 日英比較 / 地域づくり / 農村発展戦略
研究実績の概要


内発的発展論は、農村再生の一般的理論と言われているが、近年では日英両国で、地域の実情に合わないという批判がある。本研究では、日英両国から起きたこのような議論を足がかりとして、その背景となった農村実態(農村・農村構造、行政システム)の解明とその日英比較を通じて、農村における内発的発展論を理論面や実践面で刷新し、新たな農村発展戦略の解明を目的としている。
こうした課題設定から、内発的発展論の理論形成・展開過程を文献等から明らかにする「理論班」、日本国内の内発的発展過程を実態調査により明らかにする「国内班」、比較対象となる英国農村を現地調査により明らかにする「英国班」に分かれて活動してきた。
平成27年度は、主に国内班のメンバーにおいては、これまでの調査内容を補うような調査を日本全国各地で実施した。具体的には兵庫県内、山口県内、新潟県内、徳島県内などにおいて、現地実態調査を行った。なお、これらには必要に応じて英国班メンバーも参加した。理論班においては、当研究テーマと深く関連する英文著書の翻訳本出版をも視野に入れ、数度に渡る研究会において認識を相互に深めることができた。加えて、平成27年度は、とりまとめの予定の年度であり、全員が参加する「総括班」における活動を重視し、研究会開催を重ねるとともに、必要に応じて関連研究分野の最先端の知見を持つ研究者もゲストに迎え、多角的な視点から当該テーマの議論を深めてきた。
これらの活動により、日本で議論された内発的発展論の歴史的背景と実態的根拠が明らかになると同時に、新たな時代に求められる課題が明らかにされている。基本的には、研究とりまとめに当たっての十分な成果が得られたものと認識している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由


「研究の目的」で記載したほぼすべての内容を実質的に実行することができた。各班別の取り組みは順調に進んでおり、その共有化も実現している。

今後の研究の推進方策


研究は、ほぼ順調に進捗しており、その全体研究成果をまとめるべく、出版計画も進めつつある。既に、幾つかの出版社に計画を打診し、好印象を得ている。部数や金額などの細かな条件の折衝が残されてはいるが、当科研費補助金による全体の研究成果を出版物にするという計画は着実に実行に移されつつある。

次年度使用額が生じた理由


上記のように、研究は順調に進捗しつつあるが、下記の理由により1年間の延長を申請することとした。
その最大の理由は、平成27年度版の『食料・農業・農村白書』において、英国のカウンターアーバニゼーションに類似するいわゆる「田園回帰」の動きが注目されたように、現実の農村の動きに激動ともよべる大きな変化が生じつつあり、それらを反映する最新の統計データや農村実態を踏まえた上で、より精緻に研究成果をとりまとめた方がよいとの判断に至ったからである。

次年度使用額の使用計画


今現在、2015年農林業センサスおよび平成27年国勢調査の集計がなされつつある段階であり、平成28年度には、このようなデータの整理状況を考慮した上で、より詳細なデータ収集、それらのデータの背景を探るための現地調査、さらには研究成果とりまとめとしての研究会開催を計画し、未使用額は、これらの費用に充当することにしたい。

  • 研究成果

    (34件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (16件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 6件) 学会発表 (12件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] EU新規加盟国の農村振興政策活用に対する評価―2004年EU加盟の中東欧諸国を対象に―2016

    • 著者名/発表者名
      五十嵐彬・安藤光義
    • 雑誌名

      土地と農業

      巻: 46号 ページ: 2-38

  • [雑誌論文] くらしを紡ぎ直す「地域売店」と農協の役割 : 新潟県十日町市「ふれあい浦田」2016

    • 著者名/発表者名
      山浦陽一
    • 雑誌名

      にじ(協同組合経営研究誌)

      巻: 653号 ページ: 92-99

  • [雑誌論文] 交流が拡げる集落営農の世界2016

    • 著者名/発表者名
      中塚雅也
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 82巻1号 ページ: 88-94

  • [雑誌論文] 日本の農村における地域づくりの新たな潮流2016

    • 著者名/発表者名
      宮地忠幸
    • 雑誌名

      国士舘大学人文学会紀要

      巻: 6号 ページ: 171-178

  • [雑誌論文] 市場機能拡張的農政の展開と課題 : 「新規就農促進政策」を素材として2016

    • 著者名/発表者名
      槇平龍宏
    • 雑誌名

      経済経営論集

      巻: 第23巻代号 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 農村再考―英国の農村政策が忘れているものは何か―2015

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 雑誌名

      のびゆく農業

      巻: 1022・1023合併号 ページ: 1-56

  • [雑誌論文] 農村再生の現場に身を置き、“計画づくり”を考える2015

    • 著者名/発表者名
      図司直也
    • 雑誌名

      農村計画学会誌

      巻: 34巻2号 ページ: 147-150

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 地方創生のポイント:地域資源の有効活用の視点から2015

    • 著者名/発表者名
      図司直也
    • 雑誌名

      月刊JA

      巻: 61巻5号 ページ: 27-30

  • [雑誌論文] 地域おこし協力隊事業における定住者のパーソナルネットワークに関する研究―新潟県十日町市を事例として―2015

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹・中島正裕
    • 雑誌名

      農村計画学会誌論文特集号

      巻: 34巻 ページ: 213-218

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 宮城県石巻市における仮設住宅団地の生活実態~東日本大震災発生から1年半後のコミュニティに着目して~2015

    • 著者名/発表者名
      中島正裕・川副早央里・塩田光・大矢根淳
    • 雑誌名

      農村計画学会誌

      巻: 34巻2号 ページ: 167-176

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中山間地域における農業・生活の維持と協同のあり方 : 下郷農協のいま 2015

    • 著者名/発表者名
      山浦陽一
    • 雑誌名

      協同組合研究

      巻: 35巻1号 ページ: 34-37

  • [雑誌論文] 中山間地域の農業公社による集落支援の可能性 : 定点観測3-12015

    • 著者名/発表者名
      山浦陽一
    • 雑誌名

      農業研究

      巻: 28巻 ページ: 269-291

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中山間地域行政における地域担当職員制度の導入と課題2015

    • 著者名/発表者名
      山内俊秀 ・中塚雅也・布施未恵子
    • 雑誌名

      農林業問題研究

      巻: 51巻1号 ページ: 13-19

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大学と連携した地域サポート人材の管理体制の構築と課題:地域おこし協力隊事業を事例にして2015

    • 著者名/発表者名
      髙田晋史・清野未恵子・中塚雅也
    • 雑誌名

      農林業問題研究

      巻: 51巻2号 ページ: 122-127

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 東京都練馬区における農業体験農園の社会的役割―地域の価値を創造する都市農業の胎動―2015

    • 著者名/発表者名
      宮地忠幸
    • 雑誌名

      地理

      巻: 60巻7号 ページ: 24-33

  • [雑誌論文] 農村政策の展開と到達点 : 農政・国土政策は何を目指しているのか2015

    • 著者名/発表者名
      小田切徳美
    • 雑誌名

      食農資源経済論集

      巻: 66巻1号 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [学会発表] 地域サポート人の現場適応過程におけるリアリティ・ショック :地域おこし協力隊員を対象として2016

    • 著者名/発表者名
      柴崎浩平・中塚雅也
    • 学会等名
      日本農業経済学会
    • 発表場所
      秋田県立大学(秋田県秋田市)
    • 年月日
      2016-03-29 – 2016-03-29
  • [学会発表] Agriculture in an Urban Context: Policy Barriers faced by Urban Farmers in Vancouver, Canada2016

    • 著者名/発表者名
      Emi DO and Nagatada TAKAYANAGI
    • 学会等名
      日本地理学会2016年度春季学術大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2016-03-22 – 2016-03-22
  • [学会発表] 中国の条件不利地域における経営農地面積の大規模化の停滞―吉林省長白県を事例として2016

    • 著者名/発表者名
      全勇・高柳長直
    • 学会等名
      日本地理学会2016年度春季学術大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2016-03-22 – 2016-03-22
  • [学会発表] 地域おこし協力隊事業における定住者のパーソナルネットワークに関する研究―新潟県十日町市を事例として―2015

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹・中島正裕
    • 学会等名
      農村計画学会秋期大会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県金沢市)
    • 年月日
      2015-11-29 – 2015-11-29
  • [学会発表] 大学生による地域連携活動の有効性と課題2015

    • 著者名/発表者名
      内平隆之・中塚雅也
    • 学会等名
      地域農林経済学会
    • 発表場所
      鳥取大学(鳥取県鳥取市)
    • 年月日
      2015-11-01 – 2015-11-01
  • [学会発表] "地域にコミットする非定住者の特性と可能性:他出した地域おこし協力隊員を事例とし2015

    • 著者名/発表者名
      柴崎浩平・中塚雅也
    • 学会等名
      地域農林経済学会
    • 発表場所
      鳥取大学(鳥取県鳥取市)
    • 年月日
      2015-11-01 – 2015-11-01
  • [学会発表] 北京市場における日本醤油の販売品目と流通2015

    • 著者名/発表者名
      董喆・高柳長直
    • 学会等名
      日本地理学会2016年度春季学術大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2015-09-21 – 2015-09-21
  • [学会発表] 栃木県大田原市における新規需要米生産の拡大とその意義2015

    • 著者名/発表者名
      志村衛・上原悠輔・宮地忠幸
    • 学会等名
      日本地理学会秋季宅術大会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2015-09-19 – 2015-09-19
  • [学会発表] "地域おこし協力隊の公募情報の分析2015

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹・中島正裕
    • 学会等名
      農業農村工学会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2015-09-03 – 2015-09-03
  • [学会発表] "内発的発展における「場」のマネジメントに関する研究―島根県邑智郡美郷町を事例として―2015

    • 著者名/発表者名
      中島正裕・二上拓真
    • 学会等名
      農業農村工学会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2015-09-02 – 2015-09-02
  • [学会発表] 中山間地域におけるくらしの再構築と農業の連携 -大分県を事例に-2015

    • 著者名/発表者名
      山浦陽一
    • 学会等名
      日本協同組合学会
    • 発表場所
      日本大学(神奈川県藤沢市)
    • 年月日
      2015-05-16 – 2015-05-16
  • [学会発表] "都市農村交流の持続性からみたインバウンドツーリズムの可能性―群馬県みなかみ町「たくみの里」を事例として―2015

    • 著者名/発表者名
      田中沙知・中島正裕
    • 学会等名
      農村計画学会春期大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2015-04-11 – 2015-04-11
  • [図書] 地域と連携する大学教育の挑戦2016

    • 著者名/発表者名
      図司直也(大西正志・竹内康博・佐藤亮子・山口信夫・米田誠司・宇都宮千穂編)
    • 総ページ数
      352(216-228)
    • 出版者
      ぺりかん社
  • [図書] 田園回帰の過去・現在・未来2016

    • 著者名/発表者名
      図司直也(小田切徳美・筒井一伸編)
    • 総ページ数
      223(209-216)
    • 出版者
      農山漁村文化協会
  • [図書] 震災と地域再生 石巻市北上町に生きる人びと2016

    • 著者名/発表者名
      図司直也・西城戸誠(西城戸誠・宮内泰介・黒田暁編)
    • 総ページ数
      363(329-344)
    • 出版者
      法政大学出版局
  • [図書] 田園回帰の過去・現在・未来2016

    • 著者名/発表者名
      小田切徳美・筒井一伸編著
    • 総ページ数
      223(9-22)
    • 出版者
      農山漁村文化協会
  • [図書] 人口減少時代の地域づくり読本2015

    • 著者名/発表者名
      大森彌・武藤博己・後藤春彦・大杉覚・沼尾波子・図司直也編著
    • 総ページ数
      338(163-209)
    • 出版者
      公職研
  • [図書] 地理学概論 第2版2015

    • 著者名/発表者名
      宮地忠幸(上野和彦・椿真智子・中村康子編)
    • 総ページ数
      172(23-30)
    • 出版者
      朝倉書店

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi