研究課題
本研究は,農産物への低濃度放射性物質の移行過程を解明し,その結果に基づいた消費者への有効なリスクコミュニケーション方法を提案することを最終的な目標としていた.具体的には,農産物への放射性物質の移行過程の解明に関する先行研究は多く挙げられるが,それらの結果を用いて,消費者に対するリスクコミュニケーションが十分に達成されている状況とは言難い.したがって,本研究では,農産物への移行過程の解明に並行し,消費者の放射性物質に対するリスク認知行動を明らかにし,有効なリスクコミュニケーション方法の提案を行った.農産物の移行過程の解明については,東京都内の大学圃場ならびに福島県福島市近郊で栽培されているモモ果実を対象に調査を行った.放射性セシウムの土壌から果実への移行,樹体内での移行,樹体から土壌への移行について解明するために,土壌ならびにモモ果樹の器官ごとの放射性セシウム濃度を計測した.その結果,土壌からの移行よりも樹皮に降下した放射性セシウムからの果実への移行が大きいことが示唆された.放射性物質に関するリスクコミュニケーションについては,福島県が2012年度より実施している米の全量調査を例として,インターネット調査を通じ,放射線汚染問題を含めた食品リスクに対する消費者のリスク認知の構造を分析した.これまでの移行過程に関する調査により得られた放射性物質と食品に関する情報提供を含めたリスクコミュニケーションを行い,コミュニケーションの効果測定より,有効な情報提供法の評価を行なった.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
Horticulture Journal
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