研究課題/領域番号 |
24380141
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
杉山 純一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所 食品工学研究領域, 上席研究員 (20353972)
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研究分担者 |
蔦 瑞樹 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所 食品工学研究領域, 主任研究員 (80425553)
荒木 徹也 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40420228)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 蛍光指紋 / パン生地 / グルテン / デンプン / ミキシング / 類似度 / 定量イメージング |
研究実績の概要 |
パン生地中のグルテンとデンプンの分布は、生地の物性に影響を与え、製品の食感を左右する。本研究では、パン生地中のグルテンとデンプンの分布を染色せずに、また、両者の存在比を考慮して可視化することを目的とし、蛍光指紋イメージング手法を開発した。蛍光指紋とは、試料に照射する励起光の波長を変化させながら試料が発する自家蛍光のスペクトルを計測し、これらの蛍光スペクトルを三次元的に並べたデータである。自家蛍光を計測するため染色などの前処理工程が不要なこと、蛍光指紋のパターンを解析することによって複数成分の同時可視化や定量が可能なことなどが特長である。 パン生地中のグルテンとデンプンの分布は、生地の物性に影響を与え、製品の食感を左右する。本研究では、パン生地中のグルテンとデンプンの分布を染色せずに、また、両者の存在比を考慮して可視化することを目的とし、蛍光指紋イメージング手法を開発した。蛍光指紋とは、試料に照射する励起光の波長を変化させながら試料が発する自家蛍光のスペクトルを計測し、これらの蛍光スペクトルを三次元的に並べたデータである。自家蛍光を計測するため染色などの前処理工程が不要なこと、蛍光指紋のパターンを解析することによって複数成分の同時可視化や定量が可能なことなどが特長である。 画素の大半は、グルテン、もしくはデンプンのどちらかに類似度が高かったが、一部にはグルテン・デンプンの両方との類似度が高いもの、逆にどちらとも類似度が低いものがあった。上記の4通りの組み合わせにつき、それぞれに色を対応させ、各画素の類似度の値に応じて色をつけたところ、ミキシング不足、適正、ミキシング過剰の3段階の生地の画像には大きな違いが見られた。特にミキシング過剰の生地では、グルテン・デンプンの両方との類似度が高い、もしくは低い画素が多く、グルテンとデンプンがミキシング工程中に混ざり合う様子が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり、グルテンのみならず、デンプンに対しても可視化ができた。さらに、実際のグルテン、デンプンの存在比をパラメータとして導入することで、より定量性のある可視化を実現した。
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今後の研究の推進方策 |
パン生地に対しては、その主成分であるグルテン、デンプンの可視化ができたが、パン・菓子類では、脂質も重要な成分であるケースも多い。そこで、さらに脂質の可視化も同時に試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費を効率的に使用するとともに、予定していた海外発表を次年度に繰り越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究課題推進のため、次年度の研究費は、交付金申請時の計画通り使用する。なお、次年度使用額616,993円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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