研究課題
本研究は、家畜の卵胞発育を制御する視床下部神経機構において、神経ペプチドのひとつであるニューロキニンB(NKB)が黄体形成ホルモン分泌頻度を亢進し、卵胞発育を刺激するメカニズムについてヤギを用いて解明することを目的とする。平成27年度は、NKB遺伝子(TAC3)プロモーター下流にCreリコンビナーゼ遺伝子(Cre)を組み込んだアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターと、光感受性イオンチャネルを組み込んだAAVベクターを同時にヤギ視床下部弓状核に注入し、Cre-loxPシステムにより視床下部弓状核の「KNDyニューロン」特異的に光感受性イオンチャネルを発現するヤギの作出を試みた。2種類のAAVベクターを設計するとともに、ヤギ視床下部弓状核への微量投与技術を確立した。また、「KNDyニューロン」特異的に光感受性イオンチャネルを発現する遺伝子改変ヤギ作出のため、ゲノム編集技術であるTALENを用いて、キスペプチン遺伝子(KISS1)にCreを組み込んだKISS1-Creノックインヤギの作出を進めた。まず、ヤギKISS1の終止コドン近傍を切断するTALEN発現ベクターを設計し、それらをヤギ胎子繊維芽細胞へ導入してゲノムに導入された変異を検出した。その結果、設計したTALEN発現ベクターによりヤギKISS1遺伝子座に欠損が生じており、変異が導入できることが確認できた。次に、ヤギKISS1遺伝子座にCreをノックインするためのターゲティングベクターと、上記のTALEN発現ベクターを同時にヤギ胎子線維芽細胞へ導入した。その結果、ヤギKISS1遺伝子座へCreがノックインされたことを示唆する結果を得た。現在、Creリコンビナーゼノックイン細胞の単離を進めている。これらと並行して、ヤギ体細胞核移植技術の確立を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
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