卵巣・子宮間には妊娠不成立時に排卵を回帰する機構が備わる。本研究では排卵回帰の起点物質PGF2αが誘起する排卵回帰に必須の黄体消失機構を解明し、新規排卵周期制御技術開発に資する知見集積を試みた。雄性ホルモンのテストステロンや黄体細胞膜表面糖鎖に結合するgalectin-3はウシ黄体の消失する局面において発現が高く、黄体細胞死の誘導により排卵回帰を促す一方、galectin-1の黄体保護効果はその阻害物質シアル酸の発現上昇により抑制され、排卵回帰への関与が示唆された。子宮が主な産生源であるPGF2αは黄体内で自己増幅的に濃度を上げ、より確実に黄体消失を誘導する機構の要点を担う可能性が考えられた。
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